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ゆっくりとたばたば 一応注意・ゆっくりが現代入りしてます。 私は映画が好きだ。 週に5,6作は見る。近所のビデオ屋で借りては見て、借りては見てを繰り返していた。 モニターに映しだされる作品の数々は、趣味の少ない私にとって貴重な娯楽だった。 今日借りてきたのは「コンスタンティン」 キアヌ・リーブス主演の悪魔払いの映画だ。 友人は酷評していたが、私は映画を見るときにあまり面白さは追及しない。 B級ならB級で、駄作なら駄作で、名作なら名作で、何か得るものが必ずある。 何を得るかって? そりゃ、人生観とか新しい価値観とか色々さ。 でも、一番多く得るのは… 隣の部屋で飼っているたくさんのゆっくり達を虐めるアイデア。 私のもうひとつの趣味は…虐待だぁ!! ビールと柿ピーを交互に口に入れながらコンスタンティンを見る。 映画自体は、ふーん、こんなもんかーって感じではある。 しかし見始めてから1時間ほど経った時である。 主役のキアヌ・リーブスが机の上を歩いていた蜘蛛の上にコップをかぶせて捕まえて… 『俺の世界へようこそ…』 おお!煙草のけむりを吹きいれたーっ!!! 蜘蛛はそのままパタリと倒れてしまったっー! 私の脳内を電撃が駆け巡る。 これだ! 今回の映画の虐待ネタはこれに決定だ! 虐待プランを脳内で構築し始める。 こうなると映画は後回しだ。デッキを停止してテレビを消し、隣の部屋に行く。 「あ、おにいさん!ゆっくりしていってね!!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 部屋に入ってきた私に気づいたゆっくり達が挨拶をする。 私も適当に、あぁゆっくりしていくよ、と返す。 この部屋には、れいむ種、まりさ種、それと少しのぱちゅりー種が合わせて50匹ぐらいいる。 みんなそれなりに調和も取れているし、ゲスもいない。 れいむ種とぱちゅりー種の数の合計がまりさ種と同じになるぐらいに調整しているので まりさの取り合いになることもあまりない。 その中から一組のれいむとまりさのつがいを呼び寄せる。 「今から君たちの家族全員をいい場所に連れてってあげるよ。子どもたちをつれてきなさい。」 「ゆっ!ほんとう!?ゆっくりつれてくるよ!」 「あっ。みんなには内緒だからね。」 「わかったよ。こっそりつれてくるよ。」 れいむとまりさが群れの中に戻り、5匹の子供たちを連れてくる。 「よし。じゃぁ行こうか。」 他のゆっくり達の群れに金平糖を撒いて注意をそらし、そのすきにれいむ一家を連れて部屋に戻る。 「さて、やるか。」 れいむ一家を適当にもてなしながら準備を進める。 虐待恒例アイテム防音ボックスに仕切りをしいて、一匹の子まりさ以外を中に一匹づつ入れる。 「ゆっ!おにいさん!せまいよ!」 「ゆっくりだちてね!」 「まりちゃおねーちゃんだけずるいよ!」 「おにいさん!ここはぜんぜんいいばしょじゃないよ!はやくいいばしょにつれていってね!」 各々勝手なことを喚くので 「ここで静かに良い子にしてたらすぐ良い場所に行けるからね。ゆっくり待っててね。 始めはこのチビちゃんから連れてくからね。」 となだめる。 「ゆ!わかったよ!おちびちゃんたち!いいこにしてればゆっくりできるよ!」 「ゆっくりまってようね!」 「わかっちゃよ!ゆっきゅりまちゅよ!」 ちょろいもんである。 後は外が見えないように布をかぶせておけば子供は寝るだろうし、親二匹は静かに待っているだろう。 さて、一匹の子まりさは目を輝かせながら「良い場所」に行けるのを心待ちにしている。 待たせるのも悪いので早速クリアケースに入れる。 これは特に防音されていない。断末魔も聞きたいところだし。 煙草に火をつける。軽ーく一服。 そして 「おれの世界へようこそwwww」 ぷはーっとケースの中に煙を吹きいれる。 「ゆっ!げほっげぼっ!!くちゃいよー!」 ケースがでかいので一回じゃ無理か。 というわけでもう一回ぷはー。 ついでにもういっちょぷはー。 「やめじぇ゛----!!!ゆ゛っぎゅり゛でぎない゛---!!!」 子まりさが泣きながら息苦しさを訴える。 煙で目も痛いのか、涙が溢れ真っ赤になっている。 それ、もういっちょ、ぷはー。 「ぎゅ゛ぇ゛--!!ぐる゛ぢぃ゛---!!!」 子まりさは悶えながらクリアケースに体当たりを始める。 そんなんじゃこのケースから出ることはできないぞー。まだまだぷはー。 「う゛ぎぃ゛ぃ゛---!!!も゛う゛や゛じゃーーーー!!!お゛うぢがえ゛るぅーー!!!」 おお、苦しんでる苦しんでる。 それ、ぷはー。 「う゛ぎゅ゛う゛ーーーーーー!!!ゆっぐ…り……」 子まりさは最後のセリフを餡子と共に吐きだして、ケースの壁に寄りかかるように息絶えた。 ありゃりゃ、もう死んじゃったか。 うーん、やっぱ子どもだと弱いかなー。 しかもガス室みたいで映画のクールさが全く出ない。 煙草を使った虐待はなかなかに面白いので、子ゆっくり達を使って良い方法がないか実験をすることにした。 大学のレポートのネタにはちょうどいい。 題名は「ゆっくりにも煙草の害はあるか。」 うむ、良いレポートになりそうだ。 先ほどの一家の元に戻り、次の子れいむを取る。 「ゆっ!ちゅぎはれいみゅだね!!ゆっきゅりできりゅときょろへちゅれていってね!!」 「おにいさん!ほかの子たちもゆっくりしないで連れて行ってあげてね!!」 「れいみゅいいなー!」 これから行き着くところを知らないというのは、幸せなもんだ。 蓋を閉めて、さっきのクリアケースに子れいむを入れる。もちろん子まりさの死体と餡子は掃除してある。 「ゆっ!?ここがゆっきゅりできりゅところ?」 子れいむは何とも無邪気な顔できょろきょろとしている。 「そうだよ。存分にゆっくりしてね。」 数本の火のついたタバコをお香立てに差してケースの中に入れる。 「ゆーっ!!くちゃいよ!ゆっきゅりできないものをいれないでにぇ!!」 子れいむがヒンシュクの声を上げる。 しかし 「ぎゅっ…ゆっきゅりで…きな…」 おお、さっきの子まりさよりもだいぶ早く死んだぞ。 さっきの子まりさは主流煙で、今回の子れいむは副流煙だったからか? まりさ種がれいむ種より丈夫なせいもあるだろうが。 もう一匹の子れいむを取り出す。 「ゆっ!おにいさ」バタンッ もうゆっくり共と会話する気もない。 今はこの実験に集中したい。 連れてきた子れいむに煙草を食べさせてみる。 ニコチンやタールは人間にも猛毒で、特にニコチンは依存性があるうえ、成人でも40~60mg 摂取しただけで死んでしまう。 ゆっくりならどうか。 「さぁ、甘くておいしいおやつだよ。」 煙草にコーヒー用のシュガーカットをかけたものを与える。 「ゆっ!おにいしゃんありがちょー!」 そういって子れいむは煙草を数本一気にむしゃむしゃ食べた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあ…」 即死である。 解剖したところ煙草は体内に残っていなかった。 一瞬で餡子に吸収されていしまったようである。まったくデタラメな生き物だ。 ニコチンはゆっくりにとっても有毒であることがわかった。 子れいむはさっきのでいなくなったので、子まりさを取り出す。 ケースから取り出すとき、あまりのスピードにゆっくり達は何も言えなかった。 今までの子まりさと子れいむ達の餡子を食べさせてみる。 ニコチンの毒によって死んだゆっくりの餡子に有毒性は認められるか。 「なにきょれっ!あまっ!むっちゃあまくてうまっ!!むーちゃ、むーちゃ。めちゃうまっ……まずっ!!!」 最初のうちはむーしゃ、むーしゃ、と幸せそうに食べていたが突然不味いと言って白目を剥いて 餡子の泡をふきながら卒倒し、そのまま逝ってしまった。 ニコチンを含んだ餡子を食べただけでこの効果である。 最初のほうの、受動喫煙で死んだゆっくりの餡子はあまりニコチンが含まれていなかったのだろう。 毒性は多少弱かったようだ。 ただ、煙草を食べたゆっくりの餡子はがっつりニコチンを含んでいたようで、それを食べた瞬間これだ。 最後の子まりさを取り出す。 ゆっくりにニコチンに対する依存性はあるか調査する。 禁煙用のニコチンパッチを小さく切ったもので徐々に体にニコチンを馴染ませていく。 最初貼ってからは大したことはなかったが、しばらくの間、ある程度時間を置いてから服用を繰り返すと ニコチンパッチを貼っていない間は落ち着かないようになった。 微妙にそわそわして、些細なことに苛立つようになっていった。口調も少し荒い。 通常の子ゆっくりにはあまり見られない症状である。 本人曰く「ぴったん(パッチのこと)しないとゆっくりできない。」らしい。 それでもニコチンパッチを貼ってしばらくの間は治まり、ゆっくりを取り戻す。 しかし、服用を繰り返すにつれ一度の量を増やさないと不快感が晴れず、また服用の間隔も狭くなっていった。 最後のほうになると 「ぜんぜんたらないよ!もっといっぱいぴったんしてね!!ぐずぐずしないでね!!」やら 「のろまなおにいさんだね!!はやくはってね!りょうがたらないよ!!」と ゆっくりらしからぬ早口でまくり立てながら怒る状態が続いた。 最終的に、体全体に貼っても間に合わないようになったので、今度はパタリと貼らないようにしてみた。 「ゆっー!ぜんぜんゆっきゅりでぎない゛ー!!じぬーっ!!」 と、体中がむず痒いかのように転げ回り、言葉づかいも一層荒く、切羽詰まった内容になっていった。 完全な禁断症状である。子まりさは落ち着きを失い、苦しんだ。 つばきを飛ばしながら口汚くありとあらゆるものを罵り、髪は振り乱し、目には鈍く妖しい光をたたえていた。 人相も悪い。実験前のやわらかな人相(といってもゆっくりだからヘチャムクレのまんじゅう顔だが)は見る影もない。 その後は、ストレスに耐えきれず嘔吐を繰り返すようになり、衰弱死していった。 さて、ここからが本番である。 子ゆっくり達によっていくらかのデータはそろった。 副流煙のほうが効く。 ニコチンはゆっくりにも毒。 ニコチンを採ったゆっくりの餡子にも毒性が出る。 体の強いゆっくりなら、ある程度のニコチンならば徐々に採っていっても大丈夫。 ただし、ニコチン依存症にはかかる。 以上を踏まえて 成体のゆっくりに喫煙が可能かどうか試してみる。 親まりさよりは体が弱い親れいむに実験体になってもらう。 まずはニコチンパッチによりニコチンへの抵抗をなくす。 そして「ゆっくりできる。幸せになる。」などと唆して煙草を吸わせる。 あとは勝手に依存症におちいってくれた。 意外にも親れいむは数日間生き続けた。 その間、やはりあの子まりさと同じように苛立ち、口汚くなっていた。 自分では煙草に火がつられないため、 「おにいさんはきがきかないね!れいむがたばたばをくわえたらさっさとひをつけてね!!!」 などとしょっちゅう私を呼びつけた。 煙草を吸うときは幸福そのものといった表情で 「すーぱ、すーぱ、しあわせー!!」 と、ふかしていた。 が、数日後にニコチン摂取量の限界を越えたのか、ひゅーっひゅーっ、と変な呼吸音で息をし始めたかと思うと 息苦しさを訴え始め、数分後深刻な酸素欠乏症に陥って死亡した。 人間でいうところの肺気腫にでもなったか、それとも肺がんか、どちらにせよゆっくりには肺がないので よくわからない。とりあえずニコチンの摂り過ぎで死んだということにしておこう。 今回は詳しい原因の究明はしない。 ゆっくりなんて適当な生き物だ。その辺は教授も見逃してくれるだろう。 さて、最後に残された親まりさである。 この個体には、喫煙ゆっくりとなったうえで、非喫煙ゆっくりの群れに放り込まれてもらう。 さてはてどうなるか、実に興味深い。 とりあえず、ニコチンパッチ法でニコチンに慣らし、煙草を吸わせる。 30分もしないうちに「すーぱ、すーぱ、しあわせー!!」と完全に煙草の虜になった。 さっきの親れいむの様に怒鳴られて煙草の火付け役にされるのも腹立たしいので100円ライターを与えて 使い方も覚えさせる。 手もないのにどうやって使ってるんだろう。まったくもって適当な生き物である。 2,3日監察下に置く。 どうも、まりさ種はれいむ種よりもニコチンに強いらしく、まったく身体に異常が出ていない。 ただ、依存は同程度であるので、実験には問題ない。 ただ、ニコチンの影響なのか、やっぱり口や態度が悪くなる。 もはやゲスといえるレベルだ。 もとはほかの家族を気遣うやさしいゆっくりだったのに、今は目の前に転がる自分のパートナーであった れいむの死体にすら心を動かさないばかりか、死体を灰皿として使い始めた。 ゆっくり達を飼っている部屋に行き、やもめのぱちゅりーと、その子どもたちを連れてくる。 大きめの飼育ケースに十分なエサと小屋と本を入れておく。 半日ほどすれば、環境の違いにも慣れ、ゆっくりしだした。 ぱちゅりー種は虚弱で環境の変化に敏感なので注意が必要だ。 さて、ぱちゅりー一家が十分新しい環境に慣れたようなので、喫煙まりさを投入することにする。 「やぁ、ぱちゅりー。このまりさが君の新しいパートナーだよ。前のまりさが忘れられないかもしれないけど 子どもたちのためにも新しいまりさと夫婦になったほうがいいよね?」 このぱちゅりーは、まりさを事故(私がゆっくり部屋を出るときにうっかりドアに挟まれた)で失っている。 餌が与えられる飼いゆっくりなので、やもめでも生活できるのだが、やはりパートナーがいない状態というのは 不安になるようで、私に再婚できる相手を探して欲しいと言っていたのだ。 「むきゅっ!ありがとう、おにいさん。早速お見合いするわね!」 「ああ、わかったよ。ほら、まりさ。」 まりさを飼育ケースに投入する。煙草とライターも忘れずに入れてやる。 「ゆへへ…なかなかかわいいぱちゅりーだぜ。」 「むきゅ!なんてワイルドなまりさなの!」 ぱちゅりーには今まで見たことがない物を吸っているまりさが格好よく見えた。 口調が荒いのも、ワイルドと感じる。 恋は盲目、である。 「お互い気に入ったみたいだね。これからは二人でゆっくりしていってね。」 あとは飼育ケースを閉じ見守るだけである。 「みんなでておいで!あたらしいぱぱよ。」 ぱちゅりーは小屋の中に待たせていた子ども達を呼ぶ。 子ぱちゅりー3匹と子まりさ1匹が小屋から出てきて、喫煙まりさに挨拶する。 「ゆっきゅりしていっちぇね!!」 「ああ、ゆっくりしていくんだぜ。」 まりさは子ども達にはあまり興味なさげに煙草をふかしている。 このケースには空気穴があるので煙草の煙が充満することはない。 よっぽど近づかない限り煙の害にさらされることはない。 子まりさがその好奇心から、まりさが咥えている物に興味を示す。 「おとーしゃん。それはなにをたべちぇるの?」 しかし、まりさはその質問には答えない。無視してすーぱ、すーぱ、とふかしている。 まりさはすっきりするための相手が欲しかっただけなのだ。 だから相手の連れ子などに興味もないし、むしろ鬱陶しく思っている。 何を言っても無視されるので、子まりさは黙ってしまった。 そのうちに、まりさの傍にある煙草の箱に興味を示した。 「ゆゆ?なにきょれ?」 箱の中から棒状のものが覗いている。 子ゆっくりがそれに触ろうとしたその時である。 「それはまりささまのたばたばだぜ!!さわるんじゃねぇぜ!!」 先ほどまで何も言わずに煙草をふかしていたまりさが大声をあげて飛び上がる。 「ゆびゅっ!!?」 次の瞬間子まりさは、まりさの巨体につぶされ死んでしまった。 しかし、まりさは攻撃の手を止めない。 「まりささまのたばたばをとろうなんてとんでもないくそったれのどろぼうぱちゅりーだぜ!!おしおきしてやるぜ!」 子まりさの死体をぐちゃぐちゃと踏みにじる。 ぱちゅりー達は何が起こっているか一瞬わからず呆けていた。 しかし、目の前の惨事に気を取り直したとき、飼育ケースの中はパニックになった。 親ぱちゅりーが泣きながらまりさに食って掛かる。 「ばりざなにじでるのー!!!!どぼじでぱぢゅりーのこどもころずの゛ー!!!?」 大切なあのまりさの残した子が、見るも無残な姿になっていたとあっては、いかに聡明なぱちゅりーでも 平静ではいられない。 しかし、まりさは非情である。 「けっ!このうすぎたないがきがまりささまのたばたばにさわったからおしおきしたんだぜ! まったく、おやのかおがみたいんだぜ!!」 ぱちゅりーへの批判すらし始める。 「おねーしゃんをかえちてね!!」 「むきゅーー!!」 「おかあしゃんのわるきゅちをいうげすなまりちゃはちね!!」 姉妹を殺された子ぱちゅりー達が一斉にまりさに非難を浴びせて、体当たりをしかける。 しかし、体が強い大人のまりさに貧弱な子どものぱちゅりーの体当たりなど効くはずもない。 たとえ3人がかりだったとしても。 「うっおとしいぜ!!まりささまのすぱすぱをじゃまするわるいぱちゅりーはこうしてやるぜ!!」 まりさは一匹の子ぱちゅりーを捕まえると、くわえた煙草の火を押し付けた。 根性焼きである。 「む゛ぎゅーーー!!!!!!!!!!」 根性焼きをされた子ぱちゅりーはあまりの熱さに悲鳴をあげ、ショックで生クリームを吐き死んでしまった。 親ぱちゅりーはまた一匹、子を殺されたショックで白目をむいて立ちすくむ。 残された2匹の妹達は、さらに怒りまりさに体当たりを続ける。 しかし妹達の体当たりは当然まりさには通用せず、逆にまりさのストレスを加速させるだけであった。 「いいかげんにするんだぜ!!まりさのすぱすぱのじゃまはさせないんだぜ!!」 まりさは体をぷくーっと膨らませて煙草を吸った。そして足元にぶつかってくる子ぱちゅりーに 思いっきり煙を吐きかけた。 すると、突然二匹の子ぱちゅりーが咳きこみ苦しみ始めた。 どうやら、煙草の煙を吸って気管が狭くなりぱちゅりー種の持病である喘息の発作を起こしたようだ。 「げほげほっ!!!ぐぇっ!お゛え゛ぇぇええ!!」 「むぎゅっ!!…ぐるぢぃ…げほっ!」 二匹の子ぱちゅりーはその場にうずくまり、苦しんだ。 呼吸音がひゅーっひゅーっという喘息時独特のものなり、時折えずいた。 子ども達が発作に見舞われたのを見て、親ぱちゅりーが正気に戻り、駆けつけて背中をさする。 しかし、時すでに遅し。 すぐに、片方の子供はクリームを吐きだし死亡。もう一匹も呼吸困難ですぐに姉妹の後を追った。 残された親ぱちゅりーは涙する。 愛し合った前のまりさが残した大切な子ども達がすべて死んでしまった。 天国のまりさに申し訳が立たない。子ども達を守ってやれなかった自分の不甲斐なさを呪う。 子ども達への謝罪の言葉を呟きながら、ほんのりと乳の香りのする涙を零した。 しかし、まりさはその光景を嘲笑った。 「げらげらげらげら!!!まりささまのすぱすぱをじゃまするからそんなめにあうんだぜ!!これで じゃまされずにすぱすぱできるんだぜ!す~ぱ、す~ぱ、しあわせぇ~!!げらげら!!」 ぱちゅりーはまりさを睨む。 自分がこんなゲスと再婚したから、子どもたちが死んでしまったのだ。 まりさが憎い。 しかし、ぱちゅりーには分かっていた。まりさには絶対に敵わないことを。 だから、やさしいお兄さんが次に来たときにこのゲスを殺してもらうよう頼もうと思った。 自分の無力さと、自力で仇を討てない悔しさに包まれながら子ども達の亡骸に寄り添い、 さめざめと泣いた。 まりさは、反対にご機嫌だった。 邪魔な連れ子を全員始末できたこと、邪魔されずに喫煙できること、そしてぱちゅりーという性処理の道具を 手に入れたことに。 一服ふかし終わると、早速まりさはぱちゅりーに詰め寄った。 「ゆへへ…ぱちゅりー、まりささまはすっきりしたくなったんだぜ。」 ぱちゅりーは強く拒否する。 「むきゅー!こないで!!ひとごろしのまりさ!!」 しかし、まりさは全く気にかけず、強引にぱちゅりーを組み敷く。 「ゆへへへ!!まりささまのふとくてでかくてりっぱなぺにぺにですっきりさせてやるぜ!!ありがたくおもうんだぜ!」 そういうと、まりさはぱちゅりーのまむまむにぺにぺにをあてがった。 しかし、 「ゆへへ!!んっ!?」 「いや!やめて、まりさ!!って、むきゅ!?」 二匹は何とも言えない違和感を感じた。 ぱちゅりーは、自分の中にねじ込まれるであろう、ゲスの悪根が入ってこないことに。 まりさは、自慢のぺにぺにがいつものように大きく硬くならないことに。 「ゆっ!!?なんだぜ?いつもみたいにおっきくなるんだぜ!!かたくなるんだぜ!!」 まりさは自身のぺにぺにに檄を飛ばす。 しかし、体の下部からぶら下がったそれは、ピクリとも動かなかった。 どうやら煙草の吸い過ぎで勃起不全、つまりインポテンツになってしまったようだ。 まりさは必死になってぺにぺにを叩いてみたりぱちゅりーに擦りつけたりして臨戦態勢にさせようとしている。 「なんでたたないんだぜ!!?ぱちゅりー!!ぺにぺにをくわえてなぐさめるんだぜ!!」 まりさは強引にぱちゅりーの口にぺにぺにをねじ込んだ。 その瞬間、ぱちゅりーはあることを思いついた。 やわらかいぺにぺになら、自分にも噛みちぎれるのではないかと。 「むきゅーっ!!!!!!!!!!」 ぱちゅりーは全力でまりさのインポぺにぺにに噛みついた。 たとえぺにぺにを噛みちぎられて逆上したまりさに殺されても構わないと思った。 ただ、子ども達の無念を晴らすために、一矢報いてやろうと考えたのだ。 「ゆ゛ぎゅ゛ぅぅううううう!!!!!??何するんだぜーーーーーーーっ!!!??」 強かにぺにぺにを噛まれたまりさは、ぱちゅりーを何とか振りほどこうとする。 しかし、死に物狂いのぱちゅりーは噛みついたまま決して離そうとしなかった。 しばらくの間、攻防は続いたが、まりさが体を大きく振り回したとき、ついにぱちゅりーは 引きはがされてしまった。 壁に打ち付けられ力尽きるぱちゅりー。 しかし、奇妙なことにまりさもそのままばたりと倒れて動かなくなってしまった。 飼育ケースの蓋を開けて、二匹の死体を検める。 すると、ぱちゅりーの口の中からまりさのぺにぺにが出てきた。 そう、ぱちゅりーは最後まで口を放しはしなかったのだ。 遠心力でまりさのぺにぺにが引きちぎれてしまったのだ。 不幸にも、壁に打ち付けられた際に命を落としてはしまったが、ぱちゅりーはまりさに勝利したのだ。 まりさの死体を調べてみる。 ぺにぺにの痕からは少量の餡しか漏れ出ていなかった。どうやら失餡死ではないようだ。 表情は苦悶の相ではあるが、ショック死のように白目を剥いてはいない。 後日、ゆっくり外科の知り合いに検死してもらったところ、死因は脳卒中だった。 煙草の喫煙と、激しいストレス、ぺにぺにを噛みちぎられたショックによって起こったのだという。 かくして実験は終わった。 私は今回のことをつぶさにまとめ、発表した。 この論文は、ゆっくりと人間の身体的構造があまりにも違うため、煙草の健康被害についてはあまり評価されなかったが ゆっくりん・ピースから少しの謝礼金と、数多の虐待お兄さんからの感謝の声を受けた。 前者は、ゆっくりを煙草の被害に晒さないための研究として。後者は、新たな虐待の方法として。 私は少しの謝礼金を手にビデオ屋に向かう。 コンスタンティンを返却し、またあらたな作品を借りるため。 いやぁ、映画って本当にいいものですね。 終。 あとがき 今回初投下です。映画シリーズで続けていきたいなぁ このSSに感想を付ける
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「ただいま」 私の名前はA。独身で一人暮らしである。 今までは「ただいま」なんて挨拶は6畳半の狭い部屋の暗闇に溶けるように消えていったが、最近は違った。 「おにいさん、おかえりなさい!!ゆっくりしていってね!!」 最近、ゆっくりれいむを拾ったのだ。 巷では「ウザイ」やら「害虫」やら「腐れ餡子」なんていう不名誉な称号を得ているが、 親元を離れ10年近く一人暮らしをしている私にとって話しかければ返事をしてくれるゆっくりは精神的な癒しになっていた。 しかし、最近ゆっくりの態度が多少変わってきた。 「おにいさん、おなかへったよ。ゆっくりしないでごはんもってきてね!!」 (おまえ、さっきゆっくりしていってね!!っていったばかりじゃん・・・。) 拾ったばっかりのゆっくりがお腹が減ったときはちこっちを見て餌をほしそうな目でちらちらこっちを見たり、 「ゆ、ゆ、おにいさん!!おなかへらない?ゆっくりごはんをたべようよ!!」やら要求の仕方にもまだまだ可愛げあったのだが・・・。 そんな事を考えながらに餌をもらえるのが当たり前という風に踏ん反り返っているゆっくりを見ていると、なんだか虐めたくなってきた。 まぁゆっくりの気持ちはわかる、朝に餌をやってから夜まで餌を与えていないわけだからお腹はかなり減っているだろう。 部屋を荒らして餌を探した後もないし、こいつは他のゆっくりに比べて頭がいいと思う。 しかしこういったゆっくりの生意気な姿を見ると虐めたくなるのは、人の性・・・いやゆっくりの運命に違いない。 それに、これ以上調子付かせると自分の家宣言やらで本格的に霊長類の偉大さをその餡子に刻み込みたくなるので早期にしつけておくべきだろう。 そう考えると私は早速夕食の準備に取りかかる為に台所に向かった。 そうすると早速ゆっくりが 「ゆっくりしないでごはんをつくってね!!」 と私をせかす。 普段ならどうということもないその台詞もいまは私の嗜虐心を増長することしかしない。 いつもならここで私は 「わかったわかった、ゆっくり待ってろよ。」とか返事をするのだが、今回私はその呼びかけを無視した。 そうするとゆっくりはどうも私に声が聞こえってないと判断したようで更に大きな声で 「ゆっくり!!!ごはんをつくってね!!!」 と胸(?)をそらしながら言った。ここでも私が無視するとゆっくりはさすがにおかしいと思ったらしく、 「ゆ、ゆっくりごはんをもってきてね。」と言い換え、媚を売るような目で私を見つめてきた。 当たり前のように私はそれを無視すると夕食を作り始めた。 ゆっくりは私に無視されていることに気づいたらしく 「な゛ん で む じ ず る゛の゛おぉぉぉ!!」 と泣き始め私に突進してきた。 ぼよんぼよん、と有効打には程遠い効果音を鳴らしながら、ゆっくりは私に体当たりを繰り返す。 「む゛し゛ち゛ない゛て゛え゛ぇぇぇぇ」 もうゆっくりの顔は涙やらの体液でぐしょぐしょになっていた。 私は背筋にゾクゾクとしたものが走るのを感じ、この後どうやってゆっくりを虐めるか思考を巡らせた。 ゆっくりのしつけという建前はこの時点で完璧に私の頭の中から消え去った事をここに宣言しておこう。 その後ゆっくりは泣き疲れたのかこれ以上泣いても無駄だと悟ったのか部屋の隅で寝てしまった。 私はその間にゆっくりを透明な箱の中に入れ、更に外に行って「小道具」を探しにいった。 最近「それ」は幻想卿でやたらむやみ増えているので簡単に捕まえることが出来た。 そして箱の前に餌を置いてゆっくりを起こした。 「ゆっくり、ご飯の時間だよ」 「ゆ・・・?ゆ!!」 今日のゆっくりの餌はそれなりに豪勢だ。腐りかけた肉を焼いたものとくず野菜だ。 特に肉が出る日は少なく、ゆっくりは先ほどのことなど忘れた様子で餌に飛びつこうとした。 「ゆ、ゆっくりたべよう・・ね゛!!」 ゆっくりは餌と自分を遮る板にぶつかり「ゆ゛っゆ゛っ!?」と情けない声を出して跳ね返った。 ゆっくりの弾性が高すぎたためかしばらく箱のなでバウンドして「ゆっ!!ゆっ!?」と情けない声を上げていた。 そこではじめてゆっくりは自分が箱の中に居るということに気づいたのである。 「おにいさん!!ここじゃゆっくりできないよ!ゆっくりだしていってね!」 その呼び声を無視して私は「小道具」を部屋ゆっくりれいむの前にだした。 「それ」はふてぶてしくも私の部屋を見渡して 「とかいはありすにはにあわないいなかくさいいえだけど、ゆっくりしていくわよ!!」 とほざきやがった。 そう私はゆっくりれいむが寝ている間に他のゆっくり種を捕まえにいったのだ。 「ゆっくりしていってね!!」とゆっくりれいむは条件反射のように答えた。 そんなゆっくりれいむを無視してゆっくりありすはゆっくりれいむの前にある餌に目をつけ、 「このとかいはなでぃなーはとかいはのありすのごはんよ!!」といって餌を食べ始めてしまった。 都会派どころかその餌腐ってんだけどなぁ・・・。 当然ゆっくりれいむはゆっくりありすに抗議。 「そのごはんはれいむのごはんだよ!ゆっくりたべるのやめてってね!!」 と抗議した。しかしありすはそんなこと無視して 「うっめ!!めっちゃうめ!!」とがつがつ食べてしまった 「や゛め゛て゛え゛ぇぇぇぇ、れ゛い゛む゛のごばん゛だべな゛い゛でぇぇぇ!!!」 そんなゆっくりれいむのなきごえを他所にゆっくりありすは餌を全て食べてしまった。 そしてゆっくりありすは 「とかいはのありすのくちにはあわなかったからつぎはもっととかいはなでぃなーをよういしてね!!」 と俺に向かってほざきやがりました。つか都会派なディナーってどんなやねん。 自分の餌を食べられたれいむは 「あ゛あ゛ぁぁぁぁて゛い゛ふ゛のこ゛は゛ん゛がぁぁぁ!!!」 と泣き叫んでいる。 (あーあやばいやばいよー俺の中で何かが目覚めるよー) おれは自分の中のSやらMやらの部分が激しく励起して今にも電子を放出しそうな、そんな未知の興奮を感じていた。 そして私はゆっくりれいむの泣き顔を見ながら飯でも食うかと思っていた時、ゆっくりありすから 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」という泣き声が聞こえた。 まさかと思ってそちらのほうを見ると 「て゛いむ!!わたしのごを゛う゛んて゛ぇぇぇ!!」 とありすの求愛のダンス(?)が展開されていた。 なんか視界の端で揺れてると思ったらこいつ発情してやがったのか。 つか腹が膨れたら即交尾かよ・・・。 そしてゆっくりありすはゆっくりれいむに飛び掛かりこすりながら絡んでいる。 正確には箱にだが。 「や゛ぁへ゛て゛ぇぇぇ!!ゆ゛っく゛り゛やへ゛て゛って゛ぇぇぇ!!!!」 「れいむぅ!て゛ぃふ゛ぅぅぅぅ!!!ぎもでぃい゛い゛よぉぉぉ!!」 透明の箱は丈夫で人の手でも壊すのが難しいくらいなのでゆっくりありすごときではびくともしないのだが、 中に入っているゆっくりれいむには当然そんなことはわからずいつこの箱が壊れるのかありすが襲ってくるのかと半狂乱になって叫んでいた。 「あ゛ぁぁぁぁ!!ゆ゛くし゛て゛き゛な゛い゛よ゛ぉぉぉぉ!!!」 「い゛く゛!!あ゛りずの゛か゛て゛るぅぅぅぅ!!!」 どうやらありすは箱相手にイクようだ。あほだなぁ 「ゆ゛ぅぅぅぅ!!!お゛に゛い゛さ゛んた゛す゛け゛て゛ぇぇぇぇ!!!!!」 パン 「ゆ・・・?ゆぅ?」 ゆっくりありすは壁に衝突してぐしゃぐしゃになって絶命していた。 おそらく私の拳を受けたんだろう。私の手の甲にカスタードがついている。 うわ、カスタードが飛び散ってる。 ゆっくりれいむは一瞬何が起きたか理解できなかったようだが、徐々に状況を理解したようで 「お、おにいさん。れいむをたすけてくれたの?」 と言った。 その問いに答える代わりに私はゆっくりれいむを箱から出して抱き上げた。 そしてわたしはゆっくりれいむにむかって 「ゆっくり飯でも食うか。」 と言った。 そうするとゆっくりれいむは満面の笑みで決まり文句を言った。 「うん!!いっしょにゆっくりしてこうね!!」 fin 歴史というのは己が切り開いてきた道のことを言う。 例えそれが漆黒の道を切り開いて作ったものであるとしても何を恥じる必要があろうか。 ※異訳・・・またひとつ黒歴史が誕生しましたとさ このSSに感想を付ける
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このSSには罪の無いゆっくりれいむ、ゆっちゅりー、体つきゆっくりゃが虐待されます。 また、ゆっくりめーりんが登場します。 嫌な方は見ないで下さい。 ゆっこーまかん 前編 ここは幻想郷の森の中、かの有名な紅魔館から少し外れた暗い森の中。 人がやっと一人入れるような小さな洞穴があった。 洞穴の中にはヒカリゴケの明かりがともされ、少し埃っぽい空気で満ちていた。 その洞穴の中に鎮座するは人でもなく動物でもなく、虫や魚でもなく漬物石ほどの大きさの 奇妙に蠢き奇声を挙げる存在が3つあった。 「ゆっ!そのごほんをれいむにちょうだいね!」赤いリボンの下膨れの饅頭のような物体が かくもたどたどしい言葉で、かつ中途半端に枯れた汚い言葉遣いをしている。 これがゆっくりれいむ、幻想郷で近年話題の人間の特徴を備えた饅頭妖精の一種である。 「むっきゅ!~!!??ちょれはぱちゅりいのだよ!かってにもってがなぁ~いでっ☆」 シュークリームの皮のような帽子らしき物体を被ったそれは目が半分しか開いておらず舌を だらしなく垂らしては引っ込める。不気味に結ばれた紫の紫蘇と思しき髪の毛に相当する部分は ぼいん、と動くたびに不可解なリズムで揺れる。 「うぎゃおー!ごごはれみぃさまの「ごーまがん」だどっ!やかましくするなー!きぃーーーーー!!!!!!」 誰よりもやかましい物体はなんと人間の幼児ほどの体をそなえたゆっくり、ゆっくりゃ(ゆっくりれみりゃ)である。 これまた肉まんのような帽子を被り、ババクサイ服を着てへらへら笑いながら手を絶妙なリズムでスライドさせながら 踊っている。背中に付いたお飾りの羽もつられて踊っている。この種は体つきになると羽が使えなくなるのだが 本体の意思に応じてご都合主義的に動くことができるのだ。もっとも、空を飛ぶほどの力は無い。 「ゆっ!くっせえ!めっちゃくせえ!ゆちゅりーこのごほんきたなくてくっさいよ!じちょうしてね!」 れいむはそういって口に咥えた本を振り投げて捨て去る。 「むっ牛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」 「むっ牛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!ユヂュディのでえじなでえじな「ごぼん」があああああ!!」 号泣するゆちゅりー。 「むーぎゅー♪ぱちぇはがーわいーいどー♪」 汚いダンスを続けるゆっくりゃはまるでこの狂想曲を指揮しているかのようである。 「じゃあお☆じゃあお☆ぱっどちょーじゃあお☆」 そこにのこのこと現れたのは辛そうな赤い髪をしたゆっくり、ゆっくりめーりんである。 「ごっ、メーディンいーどごおいで。デイブとぱちぇがじぇんがしているど♪」 どうやらゆっくりゃは「来たね」と「おいで」を勘違いして使っているらしい。 知能が幼児並というゆっくりの中でもとりわけアホのゆっくりゃはコミュニケーションに必要な最低限の能力すら欠如しているようだ。 「じゃあお☆れいむう。ぱあちぇ。ジェンガはやめるんじゃお☆」 めーりんもやはり「けんか」を「ジェンガ」と勘違いしている。 そもそもゆっくり種が人里へ出ることは何らかの手段で処分されることを意味しているので 何でゆっくりが人語を解する上喋ることができるのか、理由は謎に包まれたままである。 「ゆっ!ゆっくりしていってね!!」 「むっ。むっきゅりしていってね!」 「うっ!たーべちゃーうぞー♪しゃくやー♪」 れいむに続いてゆちゅりーもゆっくり種に固有の挨拶「ゆっくりしていってね!!」を唱和した。 しかしゆっくりゃだけは相変わらず自分の世界から抜け出さない。 この種は何かゆっくりとは違った存在なのかもしれない。もっと恐ろしいものだ・・・!! 調停するジャオ。 「じゃおじゃお」 「ゆゆ?」 「ウジャジャ、じゃーお、じゃーお、じゃじゃーん!」 「ゆゆっ!ゆー☆ゆゆんゆさいぱちゅりー!」 「むっ。わかればいいのよ」 さも当然な表情をするゆちゅりー。 イライラしてきた一人ぼっちにされたゆっくりゃはストレス発散に叫ぶ 「んー・・・・ぎゃおー!れみぃさまはごーまがんのおぜうさまだど♪うあうあ♪」 「じゃおお。それはりくつがおかしい」 冷静な表情で反論するジャオ。 「じゃおー!デヴィのいうどおりにずるどー!!」 きれたゆっくりゃは汚い涙を溜めながらジャオを豚みたいな手で殴る。ヒヅメ付きだから結構痛い。 パシッ「じゃ」 ぺちっ「ジョン!」 どすっ「JAOOOOOO!!」 こめかみにヒヅメがクリティカルヒットした。ジャオは悲しそうだ。 「わじゃじゃじゃ・・・!!」 涙が溢れ、口角を上げようと必死でこらえている。 「・・・・・・・!!!」 「うっうー♪プリンをちょうだい?さくや!」 「ゆっ!れみいは言葉が上手くなったね!」「むきゅ。これはちんぽだわ」 「進歩」をあられもない言葉と言い間違えたゆちゅりー。 「ゆっ!ぱちぇ今のはちんぽじゃないよ!ちんぼだよ!」 「むきゅ?むぅ~、ち~んぼっ!わかったわむきゅきゅ」 クールに笑おうとするゆちゅりー。ますますひどい。 りん。 「・・・・・ゆ?」 鈴の音がする。 りん。シャン。りん。 その音は近づいてくる。 「ゆっくりだれかがきたよ?」 「うー?デヴィのおうぢにおきゃくざま?」 その少女は現れた。美しい着物に身を包んだ黒髪の美少女。 稗田阿求、通称AQNである。 「うふふふふふ・・・ここね・・・ついにつきとめたわ」 AQNは体のあちこちに色々な植物や森の障害をくっつけて微笑んでいる。 彼女はゆっくりを殺すことに生きがいを感じていた。異常性癖と言えるがそれは限られた命が可能にした一瞬の輝きである。 「ゆ?おねーさんはゆっくりできるひと?」 「なによ、ごほんよみにきたの?」 「うーうー!こんやはたのしいよるになりぞーで!」 「じゃおお!ここはとおさないぞ!」 様々な反応を見せるゆっくりたち。AQN嬢は微笑んだまま動かない。 「うふふふ・・・そうね・・・いいわ・・・。」 「・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・・・・ねえ、おねえさんをゆっくりさせて?」 「ゆ?ゆっくりしていってね!」 「むっきゅりしていってね」 「ぎゃおー!ぶっでぃ~ん☆ぷりんをちょうだい、さくや?」 「わじゃじゃじゃじゃじゃwww」 どうやらゆっくりしたいという意思表示だろうと安心した様子のゆっくり達。しかしそれは違っていた。 むんずっ 「じゃお?じゃあい!おそらをとんでるみたいじゃお!」 嬢はジャオを掴んでいた。人間から見てサッカーボールほどの大きさしかないそれを掴むのはとても容易い。 重さも2キロくらいで丁度持ちやすい。ジャオは自分に迫る危機に気が付かないで浮かれている。 「じゃじゃじゃwwwわじゃじゃじゃじゃじゃwww」 下品な表情で楽しそうにしているジャオを見たAQNは感じていた。 自分の核心が心臓の鼓動と共に脈打ち、隆起してくるのを感じた。 「・・・・・はぁ・・・・あぁ・・・・・ねぇ、おねえさんの方向いて?」 「じゃん!」 ジャオはうれしそうに向いた。 ドシャ 瞬間、ジャオの体は嬢の手に隠し持っていた飛び出し式鉤爪で引き裂かれた。 これは厚い皮を誇るジャオですら内部から全て8片に刻む優れものだ。 「むじゃ~あああん、ジョオオオオオオン!」 目は飛び出し、赤い髪は地面に落ちる。ジャオの最後はあっけなかった。 「ゆ、じゃ・・・お・・?」 「むきゅ、じゃお・・・?」 「うー?・・・ジャオ?ジャオおおおおおおおおおおお!!!??」 三匹の叫び声が木霊した。嬢は爪を舐める。 「ああ・・・この醤(ジャン)の味・・・ふぁっ!」 ビクン 嬢の核心が大きな快楽で震えている。脊髄を通る快感に嬢は打ち震えた。 「ゆ~~~~~~!!どぼじでじゃおをごろじだのおおおおお!!!」 「むぎゅぎゅぎゅぎゅ!!!じゃおをあのよへもっでがないでええええ」 「んー!んー!デヴィがだべだがっだのにいいいい!」 3匹は大きく泣いていた。 「んふ、あん、・・・ふぅ。気持ちいいわ。こんなのやめられるわけないじゃない。さ、次はどのこにしようか・し・ら☆」 ゆっこーまかん 中篇 ジャオの醤を指に付け、物欲しげな雌の目で人差し指、中指をしゃぶる少女、AQN 涎にまみれた指をいとおしそうに見つめながらゆっくり達へ目を移した。 「はあ・・・はあ・・・・はあ・・・ああ・・・こんなにかわいらしい本棚があるわね」 「むきゅっ!それはぱちゅりーのごほんでつまっているよ!」 ゆちゅりーが目を潤ませながら嬢の袴を掴んで止めようとする。振り返って嬢は 「あら?そういえばこんなところにとてもちっちゃなむらさきもやしさんがいたのね」 「むきゅん!ぱちゅりーはむらさきもやしなんかじゃないよ!」 「あら?否定するとどうなるかわかる?・・・んふふ・・・」 そう言うと嬢はおもむろに本の一つを取り出しめくる。破り捨ててやろうという魂胆である。 中身はスーパーの広告チラシや電話帳の切れ端で作られていた。 所々クレヨンか何かで落書きされた跡がある。嬢は不思議に思って尋ねた。 「あら、・・・ねーぇ、もやしちゃん?」 「む~きゅ~??なあにお姉さん?・・・っぱぱちぇはもやしじゃないよ!」 ゆちゅりーはもやしと言われても否定をし忘れた。 「このぉ、・・・ご本は何が書いてあるのォ?・・ねぇ、お・し・え・て?」 「むっきゅん!しょれはね、ぱちぇのだいじなでえじなけんきゅうざいりょうなんだよっ」 「研究・・・材料?ここは何が書いてあるの?」 嬢は広告の「特選土用うなぎ 1980円」の部分を見せた。 「むっきゅん!それはね・・・とくせいのおやつでぱちゅりいがみりょくてきないせいになるには・・・」 ぶちっ 嬢の中で、何かが切れた。ゆちゅりーから本を取り上げる。 「むきゅ!まだごほんよんでるの」「しゃああああらくうううせえええええいいい!!!!」 ビリビリビリ! 「ぶぎゅううううううん!!!!」 嬢は本をビリビリと破き、地面に落とした。 ゆちゅりーは半月状の目から溢れんばかりに涙を流し、地面の本に駆け寄る。 「どぼじでやぶっぢゃうのおおお!!!ばぢぇのでえじなでえじなごぼんが」「カスが」 嬢は興奮が止まらず、本、いや紙くずを踏みにじる。紙が泥と砂でぐしゃぐしゃになっていく。 ぱちゅりーがだいじにしていた、とくせいびようほうのかかれたごほんが・・・・。でえじにしてたひみつのむきゅりかたがよめないよお・・・・・・・・・・ ゆちゅりーの無い頭の中で思いのようなものが蠢く。 ゆちゅりーは足が震え、嬢の前に跪くと紙くずを寄せ集めようと必死になった。 「むきゅ、むきゅ、・・・っげふんげふん!むきゅむきゅ。・・・げふん!むきゅ。」 「ゆぢゅりいいいいい!!ゆっぐりだずげるじょ!!!」 「ああ・・・いい声ね・・・。むふっ、私・いけないこだわ・・・あぁん☆」 嬢はそういって股間に手を寄せて微妙な振動を与える。 一方喘息の発作を起こしたゆちゅりーの元にそれまで呆然としていたゆれいむが慌てて駆け寄る。 ゆれいむはゆちゅりーの頬を舐めてなだめる。 「ゆ。ゆ。ゆ~~!ぱちぇははやくげんきになってね!れいむがたすけるよ!」 「むきゅ。・・・ありがちょ。」 「・・・ふあああああん!!・・・ぁあ~、イッちゃったわ・・・さて、と」 「ゆっ。まかせてね!ってぎょおおおおええええええ!!!??」 誇らしげなゆれいむの頭の先を頂点を迎えた嬢が持っていたナイフですっと切り取る。 りぼんはかろうじて外れないで餡子だけを上手く露出させることに成功。 「むっぎゅううううううん!!??(>.<Uつo でいぶどぼじだのおおおおお!!?」 「ゆゆゆゆああああああ!!!!ゆ~・・・ゆ~・・・ぱちぇでいぶあだまのざぎがおがじいよおおおおお」 「むっぎゅん!!はやくよぐなっでな!よぐなでえええ!」ぺちょ・・・ぺちょ・・・ ゆちゅりーは訛りながらゆれいむの頭を舐める。実は甘いことに気づいたゆちゅりーは舐める速度を早くする。 「べちょっ!うっめむきゅ!これめっちゃうめむきゅ!べろべろベッチョン!」 「ゆああああああああ!!!」 ますます苦しむゆれいむ。それを見た嬢は思いついた。 「・・・あらあら・・・んふっ☆・・・イイこと思いつーいたっ。」 嬢は地べたに座り、袴をたくし上げて少女の秘部を露出させる。 それはいかなる文学的な表現を以てしても喩え尽くす事の出来ない楽園である! 弛まぬ人類の歴史を通して幾兆の男達が夢見、そして目指した偉大なる目的。 それは花びらを飛び立つ蝶の一片の燐粉ですら覆い尽くす事の出来ない幻の愉悦。 ああ、このいとおしく、かつ悩ましい存在のためにどれだけの文学が現れては消えていったことか!! ひとまずそこまでにして、嬢はゆれいむの餡子を指ですくう。 「ゆげっ」 「ごめんねー。治療するからね。」 「むきゅ!わたしのれいむになにをするの!?はしたないよ、おねえさん!」 「・・・んふ。私、そんなにぃー、・・・・・・はしたないかしら?」 「そうだよ、はしたないむきゅ!」 「れいむを治してあげたいわよね?」 「むきゅ!当たり前だよ!」「ゆぐう!はやぐなおじでねええええ」 「じゃあ治してあげる。今からおねえさんの言うとおりにしてね?」 「むきゅ!何でも手伝うよ!」「ゆぶぶぶぶぶ」 れいむは口から泡を吹いている。嬢はその餡子をおもむろに秘部に塗りたくった。 「むきゅきゅ!!??なにじでるのおねいざん!むっきゅりなおじでね!?」 「はぁ・・・はぁ・・・じゃあ、ングッ、・・・じゃーぁ・・・・おねえさんの餡子にまみれたここ、舐めてくれるぅ?」 「むぎゅ!!?ほんとになおるの?げふんげふん」「パ・・・ヂュディ・・・」 つづく このSSに感想を付ける
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今日は紅魔館のピクニックの日である。 最近、昼間に起きているようになったレミリアが思いつきで開催したものだが、主とその妹以外は基本的に昼型の紅魔館である。 メイドたちも前日から嬉しそうに準備をしていた。 「全員集まったようね。それじゃあ出発しましょう」 レミリアの合図で数十人のピクニックが始まった。 その中には、図書館から無理矢理連れてこられたパチュリーも含まれている。 「う~! さくや~、れみりゃもいく~♪」 「ふらんもいぐー♪」 ふと、後ろから咲夜を呼ぶ声がする。 振り向くと、屋敷に住み着いているゆっくりれみりゃとフラン。 二匹とも手に日傘をもってよたよたと走ってくる。 とたんにレミリアが顔をしかめる。 「アレは私の予備の日傘じゃない、しかも私の鞄まで背負ってるし。咲夜! 今すぐあの二匹を昼食に加えなさい」 高貴な自分の物が泥臭いゆっくりに手に握られている、それは決して我慢できるものでは無いようだ。 「まぁまぁ、お嬢様。ゆっくり達がしたことですし。二匹ともピクニックの為に頑張って用意したんですから」 いつの間にか、ゆっくりを自分のもとへ来させた咲夜がそう言ってなだめる。 「これはれみりゃのだよ!! れみりゃじゅんびちたの!!!」 「ふりゃんもじゅんびしたの!!! だからふりゃんにょなの!!」 そう言って二匹は、大きめのポーチを開けて中身を見せる。 そこの中には、無造作に詰め込まれたお菓子、蝋燭台、置物などなど。 どれもレミリアの部屋に置かれていたものばかりだった。 「この、中華まん……」 それ以上語らず、二匹の首を締め上げるレミリア。 「がー!! ひゅー、ひゅー」 必死に暴れて離そうとするが、力の差が歴然なのでそれもかなわない。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 口から肉汁の泡を吹き、みるみる顔が真っ青になっていく。 「お嬢様! おやめください」 あと少し、と言うところで時間を止めてレミリアの手から二匹を助ける。 当の二匹は咲夜にしがみ付いて泣いている。 「ざぐやーざくやー!! わるいひどがいじめるよー!!!」 「ざぐやー!! わるいひどをやっつげでー! ゆぐっりじねーー!!!」 「はいはい。もうだいじょうぶですよ」 そう言って、両手で抱きしめて慰める咲夜は、顔だけをレミリアの方に向ける。 「お嬢様! 変えの品は直ぐに準備いたしますので気を荒げないでください」 「だって咲夜、そいつが私の……」 「この二匹は、メイド達も可愛がっているんですよ。少し我侭ですけど、まだ小さいんですから、大目に見てやってください。」 ねぇ、と他のメイド達に視線を向ける。 皆一様にハイ、とか、そうです、と言ってはいるが本心でないのは丸分かりだ。 しかも、先日咲夜と一緒に買い物に出かけた二匹のゆっくりが居なくなった。 それらは最近になって庭に住み着いたのだが、それでも咲夜は懸命に街中を探し回った。 それからは、一番初めのゆっくりであり、屋敷内で生活していたこの二匹を今まで以上に大事にするようになった。 外は危ないので買い物にも連れて行かず、庭に出るときも休憩中のメイドを呼び出して監視させた。 それゆえ、最近はれみりゃ達が泣こうものなら目を真っ赤にして飛んでくる、凄い溺愛ぶりを発揮しているのだ。 当然、今日も自室に置いていこうと思ったのだが、どうやら事前にこの事をしってこっそりと準備していたようだ。 ちまちまとポーチにモノをつめる二匹を想像して、思わず顔がにやける咲夜。 それを見てため息をつくレミリア。 「……、まぁいいわ。私の邪魔にならないようにして頂戴」 この場はそれだけ言って引き下がる。 レミリアとしても、折角のピクニックに水を挿したくはないのだろう。 「う~♪、こんどいじめたら、しゃくやにいいづけてやる!!!」 「ゆっくりしね!!! ゆっくりしね!!!」 ゆっくりの性か。 既に泣き止み、ふてぶてしい笑顔でレミリアにそう言い放つ。 レミリア達が反応する前に、咲夜の手からはなれ列の中ではしゃいでいた。 「いいわ、先を急ぎましょう」 それを合図にまた歩を進める一向。 二匹のゆっくりは、自分達からすればかなり早く歩いている事が不満らしく、咲夜に文句を言って歩く速度を遅らせた。 今日のピクニックは色々と波乱に満ちている。 満足そうに笑いながら、ヒョコヒョコと傘にバランスを取られつつ進んでいく二匹を見て、咲夜以外の誰もがそう思った。 ペースは遅くなったが、それでもお昼前には目的地に着くことができた。 小悪魔が提案した小高い丘の上、近くには綺麗な川も流れている。 程なくて、全員が集まったのを確認しレミリアが挨拶をする。 「さて皆、今日はゆっくり羽を伸ばして、明日からまた頑張って頂戴」 レミリアが言い終わると、各々がシートを広げて昼食の時間が始まった。 一番見晴らしの良い場所に陣取ったシートには、レミリア・フランドール・パチュリー・小悪魔・紅・咲夜という、何時ものメンバーが陣取る。 「たまには全員でピクニックも良いものね」 「お姉様、それ私が食べようと思ってたのに……」 「早い者勝ちよ! パチェ、本ばかり読んでいないで景色を楽しんだら?」 「さっき見たわ。……小悪魔、それは私じゃなくて、きちんとあなたが食べなさい」 「ギクッ」 屋敷にいる時とあまり変わっていない様にも見えるが、本心では全員楽しんでいるのようだ。 「そうだ。咲夜、霊夢とそれから魔理沙も呼んできて頂戴。折角だから大人数で楽しみましょう」 「畏まりました」 既に昼食を食べ終えた咲夜は、そのまま博麗神社へと飛んでいった。 ここに戻ってくるまでには一時間は掛かるだろうか? 一方、れみりゃとフランの二匹は我が者顔で走り回っている。 「ゆくっりしね! ゆっくりしね!」 「いだい! さくやー! さくやー!」 フランに傘で殴られながら、必死で傘を盾にして防ぐれみりゃ。 既に何度か殴られたのか、顔は醜い泣き顔になっていた。 幾ら泣いても咲夜は来れないのだが、もはや口癖に様になっているれみりゃに言ってもしょうがない。 「う~、おなかへった~♪」 「ぐすっ。れ、れみりゃもへった~♪」 お腹が減ったら仲直り、一瞬で醜い笑顔に戻ったれみりゃと二人で、また日傘をさしてシートをうろつく。 「う~♪ がぁお~♪」 「れみりゃも! れみりゃも! がぁお~、た~べちゃうぞ~♪」 ずんずんとシートの上に土足で上がりながら縦断していく、メイド達が遊んでいたトランプの山を蹴飛ばし、殆ど残っていないランチボックスは、中身が気に入らないようでまた蹴飛ばす。 メイドたちは咲夜が怖くて黙って見ているだけ。 それがいっそう二匹をエスカレートさせる。 「う~♪ う! がぁお~! た~べちゃうぞ~」 さくやがいたシートを覚えていたれみりゃ、しかし既に咲夜はいなかった。 が、変わりにまだまだ沢山残っているランチボックスを見つけて大声で踊り出す。 「う~♪ うっう~♪」 「ふらんもするのぉ! う~う~♪」 なにが楽しいのか、日傘を持ったまま起用にたどたどしいヒゲダンスを踊る二匹。 一通り踊り終わると、今一度ランチボックスに向き直り一言。 「れみりゃごはんたべるぅー♪ どって~」 「ふりゃんもたべるー♪ はやくどって~」 にぱーっとステレオ笑顔で話す二匹。 自分達でとれる距離にある上に、そんなふてぶてしい顔で言われても取る人はこの席にはいないだろう。 勿論、直ぐ取ってくれる咲夜もこの付近にはいない。 「……。あぅ。はっ、はーい、れm……どうぞー」 周りの空気に耐えられなくなった小悪魔が、慎重に言葉を選んで二匹に差し出す。 その手のには大きなおにぎりが二つ。 和風なお弁当、と言うレミリアの提案で今日のお弁当は全て和風のもので締められた。 中でもおにぎりは、初めて一緒に外で食べる主に食べてもらいたくて、小悪魔が一生懸命作ったもの。 何故かは知らないが、おにぎりを作っただけなのに、彼女の手には沢山の絆創膏がしてあった。 「がぁおーーー!!!」 地面に落ちていくおにぎり、勢いよくれみりゃが叩き落としたからだ。 「あっ」 それを踏みつけるれみりゃ、見ていたフランも倣う。 「れみりゃは、さんどいっちたべたいの!! こんなのいらない!!」 「ふらんもさんどいっちたべちゃい♪ さんどいっち!!」 ズカズカとシートに上がりこんで、バスケットの中身をおにぎりごとを全て踏みつけ、勝利のヒゲダンスを踊る二匹。 「う~♪ さんどいっち♪ さくやのさんどいっちたべるぅ~♪」 「さくやのさんどいっち! ふらんもたべる~♪」 「お前達! いいかげんn「そうですか、サンドイッチが食べたいんですか?」」 レミリアがこの場で不夜城レッドを繰り出そうとした時に、小悪魔が微笑みながら二匹に聞き返す。 人間以上の生き物なら分かるが『目が笑ってない』という状態だ。 レミリアもいそいそと退散する、オーラは既に大悪魔そのものだったから。 「うっう~♪ さんどいっち! はやくたべるぅ~♪ はやくしないどさくやにいいつけちゃうぞ~♪」 「う~♪ はやくもってこないならゆっくりしね♪ さくやにおこられてゆっくりしね♪」 異常な気配にも気付かずに命令する二匹、この性格は似ている吸血鬼とゆっくりの性格が合わさってできたものだろうか。 「はいはい直ぐ用意しますよ♪」 今度は目も笑って、そう答える小悪魔。 バンザイして喜ぶ二匹。 「「う~♪ しゃんどいっじ~♪ うーーー!! ? うー! う゛わ゛ーーー!!!!」」 勢いよく風が吹いた瞬間、二匹とも自分の片腕が切れ取られていた。 一瞬何が起こったのか分からなかった二匹だが、直ぐに痛みが押寄せて状況を理解する。 「うーー? !! う゛わ゛ーー!! う゛わ゛ーーー!!!」 「ゆ゛っぐりしんじゃう゛! ゆ゛っぐりしんじゃう゛!」 「はいはい、直ぐ準備しますから泣かないでくださいね♪」 ブチッ、ブチッっと二匹の羽を引きちぎる、二匹は口から肉汁の涎を出しながら絶叫している。 「「うあーー!! ざぐあーーー!! ざぐあどごーーー!!!」」 「そんなに涎を垂らさなくても、後ちょっとですよ」 羽二枚で同じゆっくりの腕を包んでサンドイッチの出来上がり。 「はい♪ どうぞめしあがれ♪」 有無を言わさず、サンドイッチを元のゆっくりの口に無理矢理ねじ込んでいく。 「むぐむぐ!! ごれはれみりゃのおでで!! れみりゃのおででなの!! むぐ……」 「ちがうの! むぐむぐ……、これはさんどいっちじゃないの!!!」 「美味しいですか? そもそも最初のサンドイッチは、サンドイッチ伯爵が……」 二匹の口を押さえつけながら、サンドイッチの薀蓄を語り出す小悪魔。 「……なんですよ。ねっ、レミリア様、フランドール様」 「「はっはいっ!!!」」 パチュリーの後ろにしがみ付いていた二人。 急に話を振られたので思わず声が上ずった。 「よかったー、あってました。と言うわけです、美味しかったですか?」 押させていた手を離して尋ねる小悪魔。 なみだ目になりながら、なんとか完食した様だ。 「うーー! おいちくない! ざくやにいいつげでやるーーーー!!!」 「ゆっくりしね!!! ざくやにおごられでゆっくりじね!!!」 「えー、美味しくなかったんですか?」 額に指を置いて考えるポーズをする小悪魔、その間に二匹の欠損部も再生したようだ。 「う~♪ さくやにいいつけやる~♪」 「ゆっくりしね♪」 小悪魔の目線まで飛んで得意げにしゃべり出す、このまま咲夜を探して飛び回るつもりだろう。 「あっ、わかりました♪」 そう言って、今度は一気に羽を切り落とす。 「れみry……ぶんぎゃ!!!」 「ぼぎょあ!!!」 羽がなくなった二匹は、勢いよく地面に飛び込んで顔面とお腹を強打。 その後勿論泣き喚く。 「そういえば、れみりゃさまは甘いほうが宜しかったんですね。反対にフラン様はお肉の方が宜しかったんですね!」 すぐ準備します、と宣言し手早くサンドイッチを作っていく。 今度は両腕を使って大盛りにするつもりらしい。 程なくして出来上がったそれを口にねじ込む。 「どうですかぁ? おいしいですかぁ? おいしいですよねぇ? ご自分がすきなものですからねぇ? それも上質な肉と餡子ですもんねぇ?」 今度はがっちり押さえ込んでいるので口も開けない。 飲み込んだ頃を見計らって手を離してやる。 「う゛わ゛ーーー!!!! ざくや!!! ざぐやどごーーーー!!! ごわいひどがいるよーーー!!!」 「ゆっぐりじね!!! ざくやにいじめられでゆっくりじんでーーー!!!!」 傘を畳んで、ペチペチ叩いてくる二匹。 「ああこわいですねぇ♪ だったらー、言いつけられなければいいんですよね?」 「「う? うーーーー!!!」」 小高い丘、そこから勢いよく蹴り落とされる二匹。 蹴り落とした小悪魔は終始ニコニコ。 ニコニコしながら丘のの下まで飛んでゆく。 「はいはいー縛りますよ♪」 二人を手足を縛って近くの大きな洞窟へ、ポイッ。 後生大事に持っていた傘もポイ。 そして、ありの子を散らすように出てくる沢山のゆっくり霊夢と一匹のアリスほか二匹。 「おねーさん、ありすのおうちにれみりゃがはいってきたよ」 「それは、私からの贈り物ですよ。ちょっと早いけれど、人は夏と冬に二回贈り物をするんです、特に都会の人はいっぱい貰うんですよ」 「ゆっ!! ありすはとかいはだよ!!! しかたがないからこれももらってあげるよ!!!」 「アリィス、モットトカァイハァ」 「トカイハー」 「ふふ、ありがとうございます。きつく縛ってあるし、魔法もかかっているので絶対外れないですよ。知ってると思ういますけど、れみりゃもふらんも少し残しておくと再生しますから、これから越冬するあなた達にはもってこいでですよ」 「しってるよ! そんなこと、とかいではじょうしきだよ!!! おねえさんはいなかものだから、しらないんだね!!!」 「そうですか、よくしってるますね。では、私はこれで失礼します」 そういって近くにいた一匹のゆっくり霊夢の頭を撫でる。 「ゆゆ! おねえしゃんもゆっくりちていってね!!」 そう言って、仲間と一緒に戻ろうとした一匹を川に遠投。 ご馳走に夢中な他の家族は全く気付かなかった。 「むしゃむしゃ♪ おいしー」 「うっめぇ、これめっちゃうめー」 「だめだよ、そんなことばつかっちゃ、でなーのときにわらわれるよ!」 「はーい」 「う゛あ゛ーーーー!!! ざぐやー!!!!」 「ゆっくりしんじゃうよーーーーーーー!!!」 美味しそうに餌にかぶり付く声を聞きながらその場を後にする。 丘に戻り、シートまで飛んでいく。 どうやら、咲夜はまだ戻ってきていないようだ。 ほっと一安心知ってシートに目をやる。 「えっ」 本を読みながら、潰れたおにぎりを食べている主。 ふと、こちらに気付いて一瞬目が合うが、直ぐにまた本に目を落とす。 「パチュリー様! 汚いですよ、お屋敷にもどったら急いで何か作りますから」 「大丈夫よ、シートの上に落ちたのだし汚れた部分はちゃんととったから」 「でも、でも」 「それにね」 目に涙をいっぱい浮かべている小悪魔を諭すように話す。 「こんなにしょっぱいおにぎりじゃ、蟻も食べてくれないわ」 「ぱちゅりーざまー!」 「抱きつかないで、涙で本にしみが出来る」 「あう」 魔法で突き飛ばされた小悪魔、その目線の先には咲夜がいた。 「さっさくやさん、あの、その……」 「わかってるわ、れみりゃ様とフラン様が悪戯したんでしょ。ここは私が片付けるから大丈夫よ」 手馴れた手つきで片付け始める、霊夢と魔理沙は、と姉妹が聞いてきたが二人とも留守でした、とだけ言って作業を再開する。 モノの数分で掃除が終わり、いとしのゆっくりを探す咲夜。 「れみりゃさま、フラン様! 和食は合わないだろうと思いまして、さくやがサンドイッチとミルフィーユを作ってきましたよ、ミルクセーキもよく冷えていますよ」 しかし、反応はない。 何時もだったら、醜い顔をさらして駆け寄ってくるのだが。 「れみりゃさまー……、フランさまー……。へんねぇ、あなた達二人を見なかった?」 近くにいたメイドに聞く。 ここで踊っていました。 違うメイドに聞く。 ここで遊んでいました。 何人のメイドに聞いても、二匹の足取りを辿るような答えは摘めなかった。 まるで事前に口裏を合わせたような答えに、あっちへフラフラこっちへフラフラと走り回る咲夜。 「その二匹ならあっちに駆け出していったわ」 「パッドしか見てないけどね」 そう言ったのはレミリアとフラン。 「「まさか私達にもお守りをしておいてくださいなんて、言わないわよね?」」 丁寧に肯定し、一目散にその方角へ向かう。 あの綺麗な川ものある森の反対側。 ゆっくり達が沢山住んでいる森へと。 その後さすがに主を放ってはおけないので、皆で帰る前に戻ってきた咲夜だが、その日から雪が振る一ヶ月の間、暇を見つけたはあの森に探しに行っていたようだ。 この事を契機に、姉妹が小悪魔に妙に礼儀正しくなったり、小悪魔の部屋が豪華になったり。 小悪魔に投げられた直後、子供の数を正確に把握していたアリスは食後に一匹足りない事に気付いたが、都会派の親は反抗期の子供を持ってこそだと訳の分からない理屈で軽く流したり。 味を占めたアリス一家が雪が降り始めた頃、里に下りて半数が高値で売られたり。 暇な越冬中に、偶然傘の開き方が分かり得意げに傘で遊んだり、自分達のポーチの中身を得意げに説明して自分の宝物にするアリスを見て、自分達のモノだと傲慢に主張する二匹がまた食べられたりするが、それはまた別な話。
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※俺設定をひたすら綴りたくなったので、やってみました ※渡まりさとか、絵師さんやSS作家さんの設定を流用させて貰ってます ※うんうんとかするゆっくりが出てきます タイトル「ゆっくりの名前」 たんなる害獣だったゆっくりがペット産業のメインストリームにのし上がったのは、体サイズを固定させる技術が確立されたからだ。 ゆっくりは大食で、餌を摂取すればするほど生長が促進される。 現在記録されている最大級のサイズ(ドスを除く)は、直径90センチサイズだ。 しかし、生命維持に必要な栄養素を最小限の量で一定期間与えると、赤ゆっくり〜子ゆっくりサイズで固定できるのだ。 赤ゆっくりがプチトマト程で、子ゆっくりが軟式ボール程のサイズである。 この程度のサイズであれば、六畳アパートでも飼うことができるとあって、ゆっくりペットブームが起こった。 特に人気のある飼い方は、「水上まりさ」だ。 大きい水槽に半分ほど水を張り、そこにフロートゆっくりハウスと餌場をそれぞれ端に、真ん中にもフロートを設置し、そこでプチトマトサイズのまりさを飼うのである。 フロートゆっくりハウスから、まりさが出てきた。 「ゆっきゅり かりに いきゅよ!」 赤ゆっくりサイズで固定されているので、発声器官が未発達のままだ。 「ゆっくち わたりゅよ!」 お辞儀するように頭(?)を傾けておぼうしを水面に落とし、その上にぽよんと乗っかる。 そして器用におぼうしの中から小さいオールを取りだして口にくわえ、漕ぎ始めた。 対岸の餌場にたどり着くと、ゆっくりフードが置いてある。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇ〜♪」 もちろん餌の量は体サイズを維持させる分だけだ。 「たべちゃら うんうん しゅりゅよ!」 水面にあにゃるを向け、米粒ほどのうんうんを放出し、そのうんうんを水中の小型観賞魚がぱくんと食べる。 「しゅっきりちたら、おひるね しゅるよ!」 中央に浮かべられたフロートは、人工芝や模型の樹木が設置してある、ゆっくりスペースになっていた。 そこは天井からゆっくり光線に近い波長を出す人工灯の光が当たるようになっているのだ。 「ゆっくち あしょぶよ!」 中央フロートや水上に浮かんだボールで遊ぶ。 水中の観賞魚と水上のまりさの組み合わせは、実にゆっくりしていると評判になり、大ヒット商品になった。 大型の水槽を設置し、複数のまりさを飼う家庭もあった。 ゆっくりの流通量が増加すると、飼い主達は差別化を求めるようになってきた。 れいむ種、まりさ種と入った違いではなく、れいむ間でも差があってしかるべきだと。 そこでブリーダーは、もみあげやおりぼんの特徴の違いに付加価値を加える事を考えた。 もみあげについての事例を挙げてみよう。 標準的なもみあげの長さを規定し、それより長い個体を「ロングモミアゲ」、その逆を「ショートモミアゲ」と名付けた。 もみあげの太さも同様に規定し、さらにぴこぴこ動かせるかどうかでも規定した。 例えば、もみあげが長くて太くてぴこぴこ動かせれば「ロング・シック・ピコピコ・モミアゲ」に分類される。 逆に、もみあげが短くて細くてぴこぴこ動かない「ショート・シン・ノンピコ・モミアゲ」は希少であるため高価で取引された。 それでもまりさ種に比べれば不人気なれいむ種、値段は1万円を超えることはなかった。 だが、れいむ種の中にも数百万円を超える値段を付けた個体もいた。 もみあげ分類では「ロング・シック・ノンピコ・モミアゲ」と一般的だが、その髪留めに価値があった。 れいむ種のもみあげは赤地に白い模様の入った髪留めのようなものでまとめられているが、その白い模様が梵字になっている、というのだ。 しかもそれを読み解くと、有り難いお経になっているという。 偶然それを発見したブリーダーは早速「梵字れいむ」をオークションにかけた。 宗教団体が挙って参加し値段が高騰、結局 某有力宗教団体が落札した。 このれいむは丁寧に祭壇にでも鎮座させられるのかと思いきや、そうでもなかった。 片方のもみあげを掴まれ、ぐるぐる回転させられていた。 宗教団体広報によれば、お経の書かれたもみあげを持って回転させることで読経したことになるとのこと。 さらにその際れいむが有り難いお経を唱えるというのだ。 「いじゃああああぁぁぁぁあぁあぁいいいいぃいぃぃぃ!!!やべじぇぇええぇぇぇ!!!!」 虐待されて絶叫しているだけに聞こえるが、分かる人にはこれが真言であることが分かるらしい。 これだけ回されれば、いくらもみあげの太いれいむでも千切れてしまうのではないだろうか。 疑問に思ったフリーライターが取材した結果、千切れたのを補修しているだけでなく、れいむ本体も入れ替わっている可能性が出てきた。 証拠写真として写真週刊誌に掲載されたれいむの写真には、おりぼんの模様や形が違っていたり、もみあげの根元が補修・移植された跡等が指摘されていた。 宗教団体は当然否定し、後日この写真週刊誌の(当時)編集長は交通事故死、フリーライターは謎の投身自殺をした。 「梵字れいむ」はゆっくりブリーディング熱をさらにヒートアップさせた。 ただ同然のゆっくりが数百万円の札束に成ることを示したからだ。 ブリーダーの間では暗黙の了解となっているが、ゆっくりには法則性が全くない。 通常、交配した両親の特徴を何らかの形で遺伝すると思われがちだが、ゆっくりにはそれがない。 前述した「水上まりさ」専門業者で起こった事件だが、まりさ種ばかりを交配し、美ゆっくりで渡り上手なまりさを作ろうとしていたブリーダーがいた。 まりさ種ばかりをケージ内で飼育し、まりさ種同士を交配させていた。 いずれは究極まりさが完成すると思われていたが、ある日突然、全てのにんっしんっ!した親が全て他種を孕んだのである。 まりさ種ばかりを交配させていたことが鍵になったかどうかは分からないが、以前からこういった変質は指摘されていた。 ゆっくりは、系統をたどることが不可能である、と。 しかし、一般の愛好家はそんな真実は知らないので、血統書ビジネスも成立した。 つまり変質著しいゆっくりは大手ブリーダーが優良種を独占することを不可能にしていたのである。 ブリーダーの腕次第で大金をせしめることが可能となれば、大衆がこの投機ビジネスに進出するのに時間を要しなかった。 かつてオランダで起こった事と同じく、「ゆっくりバブル」が一気に膨らんだのである。 バブルの破裂はあっさりしたものだった。 簡単に生産・廃棄・選別ができるものとの認識が一気に広がり、ゆっくりの価値が超下落した。 視覚的に面白い「水上まりさ」は、価格は下がったものの健在だったが、派生産業が連鎖倒産したので、一部の愛好家の娯楽となった。 ゆっくりを飼う人も、少数派になった。 結局、ゆっくりは人間の一方的な都合で弄ばれて、一方的に捨てられた。 彼女らが最初から最後まで、そして今後も守り続けていくものだけを残して。 それは、名前だ。 人間がどんなに捨てさせようとしても、残ったもの。 まりさはまりさであり、れいむはれいむだった。 あとがき 自分が飼うなら、やっぱりプチトマトサイズから大きくならないゆっくりだろうな。 そんな願望をSSにしようと思って書いてみました。 水上まりさは、マジで飼ってみたい。 これまで書いた作品 ゆっくり爆弾 ゆっくりの光 ゆっくり訪問
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~ゆっくりパチュリーの生涯~ 「むきゅうぅぅぅ・・・」 木の洞(うろ)の中から弱々しい声が聞こえてくる。 声の主はゆっくりパチュリーだ。今にもその命の灯が消えようとしていた。 ゆっくり種というのは頭は悪いが、生命力だけはあるというのが特徴である。 しかし、ゆっくりパチュリー種だけは違う。とても体が弱いのである。 生まれたときから喘息(ぜんそく)を患っているため、満足に獲物(昆虫など)を追いかけることが出来ない。 また、木の実などを食べていると、ゆっくり魔理沙や霊夢がどこからともなくやってきて、 「さっさとどいてね!」 「私達がゆっくりするよ!」 と体当たりされ、 「むきゅうー!」 と泣きながら転がっていく。もちろん食べ物は横取りされてしまう。 こうして食べる物は辺りに生えている雑草くらいしか無くなってしまうのである。 このようなことは野生のゆっくりパチュリー種において珍しいことではなく、栄養不足によって死んでしまう ことはよくあることであった。 「むきゅぅ・・・」 先ほどよりもさらに弱々しい声を上げるゆっくりパチュリー。もう動くだけの体力は残っていない。 薄れゆく意識の中、足音のようなものが聞こえた気がした。 「むきゅ?」 見知ぬ一室のふかふかなベッドの上でゆっくりパチュリーは目を覚ました。 周囲を見回す。窓とドアが一つずつ、とても清潔な感じの部屋だった。 キョロキョロとしているとドアが開き金髪の女性が部屋へ入ってきた。 「むきゅ!」 警戒するゆっくりパチュリー。野生のゆっくりパチュリーはとても警戒心が強く、人里の畑などを荒らすゆっ くり霊夢や魔理沙と違い、人間の前にはめったに姿を見せないのであった。 「あらあら、そんなに警戒しなくていいわよ。あなたを治療したのは私なのよ?」 そう言うと金髪の女性はゆっくりパチュリーの前に色とりどりのお菓子を置いた。 最初はむきゅーと警戒してお菓子を口にしようとしなかったが、空腹に耐えかねてすぐにお菓子に飛びついた。 「むきゅっ、むきゅっ、おいしいよおねえさん!」 いつも食料を横取りされていたゆっくりパチュリーにとってまさに天国だった。 置かれたお菓子を食べ終わるとゆっくりパチュリーはむきゅー!っと元気のよい声を上げた。 そして金髪の女性は話し出した。 「森を散歩していたら木の洞の中から弱々しい声が聞こえてきて覗いてみたらあなたが今にも死にそうだったの よ。急いで家までつれて帰って治療したってわけ。」 金髪の女性に言われ、ゆっくりパチュリーの脳裏にはあの時の状況がよみがえる。そして感じた死の恐怖を思 い出し、ガタガタ震え涙を流す。 「大丈夫よ、ここにいればゆっくりできるわ。」 「あ゛りがとおぉぉぉ、おね゛えさぁぁぁん。」 「私の名前はアリス・マーガトロイド、アリスでいいわ。今日はゆっくりと休みなさい。」 そう言うとアリスは部屋から出て行った。 お腹がいっぱいになったゆっくりパチュリーはゆっくりと眠りについた。 次の日、目を覚ますと目の前には笑顔のアリスが立っていた。 「おはよう、ゆっくりできたかしら?」 「むきゅー、ゆっくりできたよ!ありがとうありす!」 満面の笑みでお礼を言うゆっくりパチュリー。 「あなたにお饅頭を食べさせてあげようとしたんだけど失敗してばらばらになってしまったの。見た目は悪くて も味はいいはずよ。食べてもらえるかしら?」 「むきゅー!たべたい!たべたい!」 普段からまともな物を食べることが出来ないゆっくりパチュリーにとって見た目などどうでも良かった。 アリスは部屋から出ると餡子と皮がぐちゃぐちゃになった物を皿の上に乗せて戻ってきた。 普通の人間だったら口に運ぶのさえ敬遠する形状であったが、おかまいなしにむきゅーとばらばらになった饅 頭(?)に飛びつくゆっくりパチュリー。 「かわったあじだけどとってもおいしいよ!ありがと!」 食べながらアリスの顔を見てお礼を言うゆっくりパチュリー。アリスの笑顔が目を覚ました時見たものとは若 干異なっていた気がしたが目の前のばらばらの饅頭を食べるのに夢中ですぐに忘れた。 アリスの看病のおかげでゆっくりパチュリーはみるみると元気になっていった。 「そろそろお家に帰っても大丈夫そうね。」 アリスはゆっくりパチュリーを野生へ返そうとしていた。しかしゆっくりパチュリーはそれを聞くと震え、 「おうちいやだぁぁぁ!こわいよぉぉぉ!」 ついには泣き出してしまった。 「あらあらどうしたの?」 ゆっくりパチュリーは説明した。 おいしいそうな木の実や果物を見つけるとなぜかすぐにゆっくり魔理沙や霊夢が現れていつも横取りされてし まう。それでもなんとか生きていく分の食料は得ることができていた。そうあの時までは。 秋が終わりに近づきゆっくり種の中では頭の良いゆっくりパチュリーは巣に食料を蓄えていた。 冬は食べ物が少なくなり、こうしなければ体の弱い自分は生き残ることができないとわかっていたのだ。 そしてぎりぎり冬を越せるぐらいの食料を蓄えた数日後、事件は起こった。 いつものようにせっせと食料を集め巣に持って帰る(ほお袋に入れて)ゆっくりパチュリー。 「むきゅ~♪」 最近はゆっくり魔理沙や霊夢に邪魔されず順調に食料を蓄えることができてご機嫌である。 しかし巣に戻ると驚愕した。巣の中でゆっくり魔理沙と霊夢の2匹が自分が一生懸命集めた食料をむさぼって いた。 「むぎゅー!なにじでるの゛ー!」 普段はおとなしいゆっくりパチュリーであったが顔を真っ赤にして怒り、果敢にも2匹に体当たりをする。 しかし、 「おおこわいこわい。むぎゅー!だってさ。」 「いまはれいむとまりさがゆっくりしてるの!じゃましないでね!」 あえなく返り討ちにあうゆっくりパチュリー。目の前で自分の食料がどんどん減っていくのをただ見つめるこ としかできなかった。 「じゃあね!またくるよ!」 「ちゃんとたべものあつめておいてね!」 2匹が去り、巣に残ったのは集めた食料の残骸(2匹の食べ残しや食べかす)だけであった。 「むぎゅうぅぅぅ、むぎゅうぅぅぅ」 ゆっくりパチュリーはただ泣くことしかできなかった。 本格的な冬を迎え、食料を失ったゆっくりパチュリーはだんだんと衰弱していった。 「そう、そんなことがあったの。つらかったわね。」 そう言うとアリスはゆっくりパチュリーの頭をなでてあげた。 「それなら違うお家に引っ越してみない?私の家のすぐ近くの木にも大きめ洞があるわよ。何かあったら私が助 けてあげるわ。」 恐る恐るゆっくりパチュリーは聞いた。 「そこはゆっくりできるところ?」 「えぇゆっくりできるわよ。」 「むきゅー♪」 うれしそうに声を上げるゆっくりパチュリーであった。 「ここよ。」 ゆっくりパチュリーはアリスに案内され木の洞の前までやってきた。 「どう?気に入るといいのだけれど。」 ゆっくりと洞の中へ入っていくゆっくりパチュリー。入り口は小さかったが、中は以前自分が住んでいた洞の 2~3倍の広さはあった。ここなら十分ゆっくりできそうであった。 「きにいったよ!きょうからここがぱちぇのおうちだよ!」 「そう、よかったわ。今は冬で食べ物も少ないでしょうからプレゼントするわ。」 アリスの後ろを二匹の人形が大きな包みを抱え飛んでいた。アリスが指示すると二匹は洞の中へ入って行き、 包みの中身を中へ広げ戻ってきた。 「私が作った特別製のお菓子よ。痛みやすいから今日中に食べなさい。」 アリスはゆっくりパチュリーの前に洋菓子を置いた。 「そろそろお別れよ、さようなら。」 アリスは手を振りながらもと来た道を戻っていった。 「むきゅー、ありすありがと~」 飛び跳ねながらアリスを見送るゆっくりパチュリー。アリスがくれたお菓子を食べると巣の中へ入っていった。 目の前に山いっぱいの食料が広がっていた。以前の巣で冬越し用に蓄えた食料の量をゆうに超えていた。 さっそく食べようとしたが、急に眠気がおそってきて意識はまどろみの中へ消えていった。 次の日、ゆっくりパチュリーはなぜか巣の外で目を覚ました。しかも体にいくつか傷を負っていた。 巣の方からはなにやら音が聞こえてくる。急いで巣に戻ると言葉を失った。 ゆっくり霊夢、魔理沙さらにアリスまでもが自分の食料をむさぼっていた。 「む゛、む゛、む゛ぎゅー!」 ゆっくりパチュリーの声を聞いて3匹が振り返る。 「またむぎゅー!だってさ、こわいこわい。」 「やくそくどおりまたきたよ!」 「こんなぜいたくなたべものはいなかもののぱちぇにはもったいないわ。とかいはのわたしたちがたべてあげるわ。」 前回と同じように果敢にも体当たりするが相手が3匹では当然敵うはずもなく、 「まりさたちのじゃまをしないでね!」 「ここはもうれいむたちのゆっくりぽいんとだよ!」 「いなかもののぱちぇがいるだけでゆっくりできないのよ、でていって!」 トリプル体当たりをくらい「むぎゅー」と泣き転がって巣の外へ追い出されてしまった。 「どうじで、どうじで、ゆっぐりざぜでぐれないの~。」 涙が滝のようにあふれてくる。 「あらあらどうしたの?そんなに泣いて?」 振り向くとそこにはアリスが立っていた。 「あ゛、あ゛、あ゛りずぅぅぅ~。ゆっぐりでぎなぐなっちゃだよぉぉぉ。」 「そう、また食料を横取りされてしまったのね。」 「あ゛、あ゛りずだずげでぇぇぇ。」 「それじゃ食料を横取りしたゆっくり達をゆっくりできなくすればいいのかしら?」 「おでがい、ありずぅぅぅ。」 「えぇ、も・ち・ろ・ん・よ!」 アリスは見たものを恐怖に陥れるような笑顔で笑い、ゆっくりパチュリーをおもいっきり木の洞目掛けて蹴った。 「む!むきゅぅぅぅ!」 何が起こったかまったくわからなず転がるゆっくりパチュリー。食料をむさぼっていた3匹が再び入ってきたゆ っくりパチュリーに気が付く。ゆっくり霊夢が先陣を切ってゆっくりパチュリーに体当たりを仕掛けようとする。 「わたしたちのゆっくりぽいんとだってわからないの!」 しかし次の瞬間、 「ゆ゛!、ゆ゛ぅぅぅぅ!!! 」 悲鳴を上げ、八つ裂きにされるゆっくり霊夢。 「「れいむぅぅぅ!」」 ゆっくり魔理沙とアリスは絶叫した。 ゆっくり霊夢を八つ裂きにしたのはアリスの操っている上海と蓬莱人形だった ゆっくりパチュリーは目の前で絶命したゆっくり霊夢の光景を見て一気に顔が青ざめた。 もともと体が弱く臆病なゆっくりパチュリーにとって(いやゆっくり達にとっても)悪夢のような光景だった。 しかし、その悪夢はまだまだ続いた。 その光景を見るや否や我先にとゆっくりアリスを置いて洞から脱出しようとするゆっくり魔理沙。 もちろん二体の人形は見逃さない。上海がゆっくり魔理沙の体を壁に押し付けると蓬莱が金槌とごっすん釘を取り 出す。それを見たゆっくり魔理沙は必死に、 「あ、ありすがここでゆっくりしようっていったんだよ!、ま、まりさはわるくないよ!、ゆっゆっゆっくりしてね!、 こ、こっちにこないでね!、い、いや゛あ゛ぁぁぁぁぁ!」 ゆっくり魔理沙の必死の懇願もむなしく額にぐっすん釘が打ち込まれる。 「いだい、いだい、や゛め゛でぇぇぇ!」 ごっすん釘を打ち込みゆっくり魔理沙を動けなくなった。2体の人形を見てゆっくりアリスはガタガタ震えている。 「ご、ごめんなざいぃぃぃ、あ゛りずはどがいはじゃないのぉぉぉ、ほんとうはいながもののゆっぐりなのぉぉぉ!」 ゆっくりアリスの願いが届いたのか2体の人形は洞から出て行った。 「た、たすかったの?」 ゆっくりアリスは急いで洞から脱出を計る。 (もうゆっくりパチュリーをいじめるのはやめよう。新しいゆっくり魔理沙をさがしてゆっくりしよう。) 暗い洞の中から光あふれる外へ勢いよく飛び出すゆっくりアリス。 「ゆ゛!?ゆ゛う゛ゔゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」 悲鳴を上げながらゆっくりアリスの体は3枚におろされ、黄色のどろっとしたものを回りに撒き散らす。 ゆっくり霊夢や魔理沙の中身は餡子だがゆっくりアリスの中身はカスタードクリームなのだ。 「あら、逃げられるとでも思ったの?」 笑いながら冷たくあしらうアリス。 ゆっくりパチュリーの青ざめた顔はもう真っ白になっていた。そして涙を流しガクガクとおびえていた。 巣の外からアリスの声が聞こえる。 「約束通り助けてあげたわよ。うれしいでしょう?」 「ひ、ひどいよありす!や、やりすぎだよ!」 「あら、何言ってるの?食料を横取りしたゆっくり達をゆっくりできなくすればいいのかと聞いたらあなたがお願い と言ったのよ。私はあなたのお願いを聞いてあげただけ。しかも特別に新たな食料まで用意してあげたのよ。」 ゆっくりパチュリーは周囲を見回すが、あるのはゆっくり霊夢の成れの果てとごっすん釘で固定されたゆっくり魔 理沙だけであった。 「あなたの、目の前にある残骸とゆっくり魔理沙よ。」 「む、むぎゅぅぅぅ、た、たべられないよ!」 「何言っているのかしら?私の家でたくさん食べていたじゃない。変わった味だけどおいしと言って。」 ゆっくりパチュリーは目の前に広がるゆっくり霊夢の成れの果てを見て、アリスの家で自分が食べた物とそっくり なのに気が付く。 「い、いや゛あ゛ぁぁぁぁぁ。ゴ、ゴホ、ゴホッゴホ、ゲホ、ゲェェェェェ。」 自分が食べていた物がゆっくりの残骸だと気づくと悲鳴をあげ持病の喘息が発症し、むせ返るゆっくりパチュリー。 「そうそう、あなたがもう邪魔されずにゆっくりできるように入り口に特製の糸を張っておいたわ。もし誰かがあな たの邪魔をしようと巣の中へ入ればさっきのゆっくりアリスの様に3枚におろされるわ。もちろんあなたも例外では ないから気をつけなさい。」 「あ゛りず、どうじでごんなひどいごとするのぉぉぉ。ゲホッゲホ。」 しばらくの沈黙の後アリスは答えた。 「あなたがあの紫もやしと同じ名前だからよ!」 吐き捨てるように言うとアリスは家へ帰っていく。 「ごごがらだじでぇぇぇ!ゴホッゴホッ。」 ゆっくりパチュリーの泣き声はアリスに届くことはなかった。 -アリス邸- 「あの紫饅頭最後まで私のことを呼び捨てにしてたわね。今思い出すだけでも腹が立つわ!」 アリスは椅子に座り紅茶を飲んでいた。 「それにしてもあの紅白と黒白饅頭思っていたより使えたわね。ゆっくりアリスまでいたのはびっくりしたけど。」 -1ヶ月半前- 「おーいアリスー。」 上空から手を振るのは霧雨魔理沙、アリスが好意を寄せる人間だ。 「いらっしゃいお茶の用意をするわ、あがって。」 「おう、遠慮なくあがらせてもらうぜ。」 何か特別なことをするわけでもなく、アリスは魔理沙との何気ないお茶会と雑談を楽しんでいた。 しかしそんな楽しい雰囲気も魔理沙の一言で終わりを告げた。 「そうそう、昨日図書館に行ったらパチュリーが古い魔導書を見つけたらしいんだ、しかも複数!」 「へ、へぇそれはすごいわね。」 (なんで私の目の前であの紫もやしのことなんて話すのよ) 「それでな、けっこう昔の文字らしく解読が必要で泊りがけで一緒に解読しないかって誘われたんだ。」 パリン アリスの握っていたカップが床に落ち割れた。 「おいおい、気をつけろよ。」 「ご、ごめんなさい。」 動揺するアリス。 (な、泊りがけですって!あの紫もやし魔導書をエサに魔理沙をつるなんてなんて卑怯なの!) 「そ、それで魔理沙はどうするの?」 「もちろんいくさ!」 その瞬間アリスの心は絶望のどん底に叩き落された。 「・・・どのくらいの期間なの?」 「パチュリーは最低でも1ヶ月近くはかかるんじゃないかって言ってたぞ。」 (1ヶ月!ダメよダメよ!魔理沙!行っちゃダメよ!) 「というわけでしばらくアリスには会えないんだ、悪いな。」 「え、えぇ私のことは気にしなくても大丈夫よ。」 (何言ってるのよ私、ここで止めないと1ヶ月も魔理沙に会えなくなっちゃう!) 「そうか、それじゃ雲行きが怪しいしそろそろ帰るかな、またくるぜ。」 「見送るわ。」 外に出ると魔理沙はほうきにまたがり、 「またなー。」 と言って帰っていった。 雨が降ってきた。アリスの心を反映しているかのようだった。 「ま゛り゛ざぁぁぁ、どうして私じゃだめなのぉぉぉ!あのもやしなのぉぉぉ!」 アリスは雨に打たれながらその場に泣き崩れた。 数日後、アリスは椅子に座ってボーっとしていた。まだショックから立ち直れていないようだ。 庭からなにやら音がする。窓から覗くとそこにはゆっくり霊夢2匹、魔理沙1匹が花壇の花をムシャムシャと食べ ていた。普段なら追い返すが今のアリスにとってどうでもいいことだった。 しかし次の瞬間アリスの頭の中にある計画が思いついた。再び生気が宿ったアリスはすぐさま人形達に森に住むゆ っくりパチュリーを気づかれないように探し出すよう命令した。そしてアリスは庭に出て行った。 「おねぇさんだれ?」 「ここはまりさたちのゆっくりぽいんとになったんだよ!」 「じゃまするならでていってね!」 なんてふてぶてしいゆっくり達だろう。勝手に人の庭に入ってきて自分の場所だと主張するなんて。 「1匹には見せしめとして死んでもらいましょうかね。」 そう言うと手をゆっくりの方へ向け、詠唱を始める。 そして出現した火の玉がゆっくり霊夢に命中し一瞬で消し炭となる。 悲鳴を上げながらゆっくり霊夢と魔理沙は一目散に逃げ出すが人形達が押さえつける。アリスが近づくと、 「わ、わるいのはあのしんだれいむだよ!れいむがここをゆっくりポイントにしようっていったんだよ!」 「おねがいゆるしてぇぇぇ」 泣き叫ぶ2匹のゆっくり。そこへ先ほどゆっくりパチュリーを探しに行った人形達が帰ってきた。 「これで役者がそろったわ。」 そう言うとアリスはかがみこみ2匹のゆっくりに話し出す。 「私の言うことを聞くなら助けてあげてもいいわよ。そのかわり、少しでも逆らったらあの死んだゆっくりの様になる わよ。」 「わ、わかったよ、いうこときくよ!」 「いうことききます!だからたすけてぇぇぇ!」 -時は戻って再びアリス邸- 「私の指示通りきちんと紫饅頭のエサを横取りしていたようね。」 ゆっくりパチュリーがエサを横取りされたのも餓死しかけたのもすべてアリスの計画だった。 「わざとエサを集めさせて蓄えたエサを一気に食べられたときの紫饅頭の顔と言ったら最高だったわ。睡眠薬入りのお 洋菓子も何の警戒もなく食べちゃうし、本当にばかな紫饅頭ね。」 -閉じ込められて3日後- 「おでがい、ゆるじでぇぇぇ。」 弱々しく泣き叫ぶのはごっすん釘で固定され、動くことができないゆっくり魔理沙だった。ゆっくり種は中の餡が 無くならない限り死ぬことはない。だがそれが仇となりゆっくり魔理沙は苦しみ続けていた。 ゆっくりパチュリーはと言うと空腹に犯されていた。目の前にはゆっくり霊夢の成れの果てが散らばっていたが口 にはしていなかった。 「おなかへったよぉぉぉ、ぱちゅりーがたべないならまりさがれいむをたべるうぅぅぅ。」 「むぎゅぅぅ、しずかにしてね。」 ゆっくり魔理沙がわめき散らしていたが体力を消耗するだけなのでゆっくりパチュリーは無視して目を閉じた。 次の日、ゆっくりパチュリーが目を覚ますと空腹がおさまっていた。 目の前に散らばっていたゆっくり霊夢の成れの果てが無くなっているのに気が付いた。 「ひどいよ、ひとりでぜんぶたべちゃうなんて、ぱちゅりーのいじわる!」 「むきゅ?なにいってるの?」 「とぼけないでよ、まりさのめのまえでれいむをたべてたじゃない。」 ゆっくりパチュリーは固まった。ゆっくりまりさはごっすん釘で固定されていて動くことができない。唯一の出入 り口はアリスによって封鎖されている。そうなるとゆっくり霊夢を食べたのは・・・。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」 突然悲鳴を上げるゆっくりパチュリー。死んでいたとはいえ無意識にゆっくり霊夢を食べてしまったことを信じた くはなかったのだ。 「ぱちぇじゃない、ぱちぇじゃない、ぱちぇはたべてない。」 自らに言い聞かせるように何度も繰り返すゆっくりパチュリー。 「まりさのめのまえでおいしそうにぱちゅりーがたべてたよ。」 「うそだーーーーー!」 普段はおとなしいゆっくりパチュリーの大きな悲鳴を聞いてゆっくり魔理沙は口を閉ざした。 ゆっくりパチュリーはゆっくり魔理沙から一番離れた壁に顔を張り付けひたすら、 「ぱちぇじゃない、ぱちぇじゃない、ぱちぇはたべてない。」 と次の日も次の日も言い続けた。 -閉じ込められて6日後- ゆっくりパチュリーが目を覚ますとまた空腹が収まっていた。恐る恐るゆっくり魔理沙の方へ振り返るとごっすん 釘に固定されたゆっくり魔理沙はいた。白目を見開いて体を痙攣させ体の半分が無くなっているゆっくり魔理沙が。 「む゛、む゛、む゛ぎゅう゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 これまでにないほどの悲鳴を上げるゆっくりパチュリー。そして、 「おっまんじゅう~♪おっまんじゅう~♪」 と歌いながら残りのゆっくり魔理沙をむさぼる。ゆっくりパチュリーの目はうつろで生気が消えていた。 餓死しようとしていたときの恐怖。やさしかったアリスの変貌。目の前で起こった虐殺。 そして無意識にゆっくり霊夢と魔理沙を食べてしまったのを認めることができない自分。 短期間にゆっくりパチュリーに降りかかったその惨劇はついにゆっくりパチュリーの精神を破壊してしまったのだ。 「あら、もう壊れちゃったの?せっかくもっといたぶってあげようと思ったのに面白くないわね。」 アリスは洞の中から聞こえるゆっくりパチュリーの声を聞くと残念そうに言った。そして入り口の糸をはずす。 「上海!蓬莱!」 命令されると2体の人形は洞の中へ入りゆっくりパチュリーを引きずり出す。 「おっまんじゅう~♪おっまんじゅう~♪おっいしっいな~♪」 「これは完全にダメね、しかたないわ。」 アリスはゆっくりパチュリーに糸を巻きつけると上海と蓬莱にゆっくりパチュリーを木の上へ固定させる。 「そのうちゆっくりを捕食するゆっくりにでも食べられるでしょ。」 そう言うとアリスは家へ帰って行った。 その夜、まだゆっくりパチュリーは歌っていた。 「おっまんじゅう~♪おっまんじゅう~♪」 その声を聞きつけてか遠くから丸い物体が飛んできた。 「おまんじゅうだ~♪いっただっきま~す♪」 大きな口をあけてむかってくる饅頭を食べようとするが次の瞬間ゆっくりパチュリーは真っ二つになり地面へぐ ちゃっと音を立て落ちた。 「うー♪うー♪」 ぐちゃぐちゃになったゆっくりパチュリーを食べているのはゆっくりれみりゃ。スピードを利用し羽で真っ二つに したのだ。 こうして、運悪くアリスの標的となってしまったゆっくりパチュリーの生涯は閉じたのであった。 End 作成者:ロウ 後書き 最後まで読んでくださった方々、まずはお礼を申し上げます。 ゆっくり達の生涯シリーズ(?)第4弾『ゆっくりパチュリーの生涯』はいかがでしたでしょうか? 今回のコンセプトは精神的いじめです。過去3作は意外と頭の中に文章がポンポンと浮かんできたのですが、今作 はなかなか文章や内容が思い浮かばず苦労しました。気が付くとけっこうな長文となってしまいました。 ちなみに、私にはSSを書くとき一つのポリシーがあります。それはなるべく幻想郷の人物を登場させるというこ とです。加工場の設定を使わせていただくときは職員を登場させなければなりませんが、オリジナルのキャラクタ ーをなるべく登場させないようにしています。 理由は単純で、東方が大好きだ!というだけです。 (旧作はやっていませんが紅魔からの作品はすべて持っています) オリジナルのキャラクターが登場する作品が嫌いなわけではありません。むしろ最近はさまざまなSSが投稿され てうれしいくらいです。誤解のないようお願いいたします。 (最近のSSではゆっくりきゃっちゃーがお気に入りです) 次回作は既に頭の中に浮かんでいます。最近はやり(?)のゆっくり一家に登場してもらう予定です。 毎回言うようですが私は文章を考えるのが苦手&遅いのでゆっくりと書かせていただきます。 そういえば、私は幻想郷のキャラいじめ板の頃からSSを投稿していますが、その頃から読んでくださっている方 はこのスレにもいるのかな? ↓今回のおまけは後日談です。 -後日談- 次の日朝早くから扉をたたく音がしてアリスは目を覚ました。 「もぉ、朝っぱらから誰よ。」 扉を開けるとそこに立っていたのは魔理沙だった。 「よぉ、アリス久しぶりだな、元気だったか?」 あまりの出来事に声が出ない 「どうした?体調でも悪いのか?なんなら出直すが。」 「だ、だ、だ、大丈夫よ、全然体調なんか悪くないわ。それにしてもどうしたの?こんな朝早くから。」 「1ヵ月半もかかったけど魔導書の解読が大体終わってな、アリスに読ませてやろうと思ってパチュリーが寝ている隙 にかっぱらってきたぜ!あと、しばらく泊まらせてもらうぜ!」 「え!と、泊まる!?」 「いやなら別に帰るが、ダメか?魔導書の量もあるし、アリスは昔の文字なんて読めないだろ?」 「ま、魔理沙がどうしてもって言うなら泊めてあげてもいいわよ。」 (何言ってるのよ私!素直に泊まってってどうして言えないのよ!魔理沙が帰ったらどうするのよ!) 「そうか、それじゃ遠慮なく泊まらせてもらうぜ!それよりアリス、それ寝巻きか?なかなかかわいいじゃないか。」 アリスは一気に顔を赤くして、 「魔理沙のばかぁぁぁ~。」 と言いながら急いで着替えに戻って行った。 「なにあいつ赤い顔なんてしてるんだ?」 こうしてアリスは魔理沙とゆっくりと楽しい時間をすごした。 目を覚ましたパチュリーは目の前に置かれていたメモを見ていた。 (魔導書を持ってアリスのところへ遊びに行ってくるぜ。) 「む、むきゅ~~~~~!」 パチュリーの声は紅魔館中にこだました。 おまけEnd
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ゆっくりぱちゅりぃというゆっくりが居る。 ご存知ゆっくりパチュリーに四肢が付いたゆっくりだ。 しかし、このゆっくりは四肢がないゆっくりと違い、少し頭が悪い。 そんなゆっくりぱちゅりぃの生態を、少し覗いてみよう。 「むっきゅ~~♪ むきゅむきゅ♪」 煙が移動するように、道を歩いているのがゆっくりぱちゅりぃだ。 「むっきゅ~~♪ むっきゅきゅ~~~♪」 その、濁った目を大きく見開き、目の前の人間を凝視する。 その右手。 そこに持っているのは、この男が買ってきた本だ。 「むっきゅ~~~♪ それはぱちゅりぃのごほんのなのーーー!!!!」 「うわ!! なんだおまえ?」 突然、誰かに話しかけられたと思った男は、目の前でワンワン泣いているゆっくりを見て声をあげる。 「むっぎーーー!! それはぱちゅりぃのごほんなのーーー!!!!」 「この本がお前の?」 「むっきゅ~~~♪ そうなの!! だからかってにもってかないでね♪」 四肢有りは総じて切り替えが早いのだろうか? このぱちゅりぃも、先ほどとは打って変わって満面の笑みで両手を差し出してくる。 「フザケンナ!! これは俺の本だ!!」 「むっぎゅーーー!!! ごほんかえじでーーーー!!!」 男がブツクサ言いながら去っていくと、懸命にその後を追いかける。 「まっでぇーーー!! もっじぇがないでーーー!!!!」 「…………」 男は大事そうに本を胸に抱えて無言で歩く。 「まぁ……じぇーーーー!!!」 その後ろを、ぱちゅりぃがヒィヒィ言いながら歩く。 「……。ほら、待ったぞ!!」 「!! もっじぇがないでぃーーーー!!!!」 男が止まったのを見て、一気に間合いを詰めようと、残っていた体力で懸命に駆け寄る。 しかし。 「ほ~ら♪ もっていっちゃうぞ~~~~♪」 「むぎゅ!!!」 後一歩。 後一歩のところで、勢い良くスタートを切った男に逃げられてしまう。 「むーーーーーー!!!!」 そのまま、スカートに足を取られて前のめりに地面とキッス。 「むっぎゅーーーー!!! ぱちゅりぃーーのごほんがーーーー!!!」 全身泥だらけになったぱちゅりぃの目は、涙をいっぱいに浮かべ、すでに姿が見えない男を追いかけていた。 「むっきゅ~~~♪ むきゅきゅ~~♪」 それから暫くして、漸く機嫌が直ったぱちゅりぃは、勇み足で人里の中へ。 「むっきゅ~~~♪」 目的は人間の家に侵入すること。 しかし、食料をとることが目的では無い。 「むっきゅ~~♪ おじゃまします~♪」 目的は本を見つけることだ。 丁寧に、挨拶をして家の中に入っていくその顔は、既に血眼になって本を探していた。 「……むきゅ~~~? むきゅ~~~?」 押入れ、冷蔵庫、風呂桶、食器棚。 何処を開けてもなかなかお目当てのものがでて来ない。 「むっきゅ~~~!! ごほんをよまないばかのお~ちなの?」 フツフツを怒りが湧き起こってきたその時、偶然あけた隣の部屋で、大きな本棚を見つけることができた。 「むっきゅ~~~♪ ごほんがいっぱ~~い♪」 吸い寄せられるように近づいていったぱちゅりぃは、手当たり次第に本を引き出すと、乱雑に並べてから、一冊の本を開いた。 「むっきゅ~~♪ ごほんをたくさんだしたぱちゅりぃはどくしょかなの~~♪」 ペラペラッと本を捲っていく。 その行為は、この家の主が帰ってくるまで続いた。 「おい!! そこでなにしてるんだ!!!」 「!!!! むきゅ? ここはぱちゅりぃのとしょかんよ? しずかにごほんをよめないおに~さんはでていってね!!」 さも当然のように言い放って視線を戻す。 「むきゅ! かしだしはしてないの」 視線を合わせず、思い出したかのように呟く。 勿論、貸し出しが何の事だかはサッパリ分かっていない。 「ここは俺の家の俺の本棚だ。人の家に勝手に入りやがって!! 出て行け!!」 「むきゅ~~♪ どくしょちゅうはおしずかに!!」 「……」 ここで、男の限界が来たようだ。 「むきゅ?」 何も言わず、首根っこを掴んで顔を近づける。 「それは、おれの、ほんだ!!」 「むきゅーー!! ぱちゅりーのごほんなの!!!」 「うるさいよ!!」 「むぎゅ!!」 そのまま外に投げ捨てる。 「むきゅーーー!! いれでーーー!! としょかんにいれてーーー!!!」 「嫌だ!! お前の図書館だったら、自分で入ってこられるだろ?」 「むぎゅーーー!!!!」 ガラス戸をペチペチ叩くが、ぱちゅりぃの力では割る事はできない。 中に入ろうとしても、昼間は開いていた玄関もしっかりと鍵がかかっている。 「むっきゅーーー!! ぱちゅりーーのごほんもっでがないでーーー!!! ぜんぶもっでかないでーーーー!!!!」 なけなしの力で最いっぱい叩くが、既にカーテン越しに明かりは消え、物音一つしなくなった。 「むっきゅーーー……」 仕方が無い。 この図書館を手放す事にしたぱちゅりぃは、とぼとぼと自分の巣の中に戻っていった。 ―― 巣の中は大きな空間が一つあるだけ。 その奥に、ぱちゅりィが拾ってきた本が山積みにされている。 「むっきゅ~~~♪ ねるまえにごほんをよまなくちゃ!!」 ここに帰る途中に拾ったくず野菜の夕食をとり、横になったぱちゅりぃは、その本の山から無造作に一冊取り出す。 三ページ程のA4の紙には、カラフルな文字で○○店オープン!! と書かれている。 「むっきゅ~~♪ ハラハラするだいぼうけんね!!!」 一冊捲り終える頃には、ぱちゅりぃはスヤスヤと寝息を立てていた。 ―― 翌日 「むっきゅ~~♪」 今日も朝から町へ出かける。 勿論本を探すためだ。 「むっきゅ~~♪ むきゅ!! むきゅ!!」 昨日の失敗は忘れてしまったようで、意気揚々と町の中へ乗り込んでいく。 「むきゅ? むきゅーーーー!!!!」 そこには、大きな図書館が存在していた。 一面に沢山の本が並んでいる。 まさにぱちゅりぃにとっての桃源郷だった。 「むっきゅ~~~♪ ぱちゅりぃのとしょかん~~~~♪」 「あら? ゆっくりぱちゅりぃね?」 「むきゅ? おねーさんだれ?」 「私はここの司書をしているの。貴方は?」 「むっきゅ~~~♪ ぱちゅりぃはここのとしょかんのあるじよ!! かってにわすれないでね!!!」 「そうだったわね」 ぱちゅりぃの自分の図書館と言う発言に食って掛からなかった司書は、更に言葉を続ける。 「だったら。そっちじゃないでしょ?」 「むきゅ?」 「この図書館の主人専用の部屋は、こっちじゃない」 指差す先には、確かに扉が有った。 「むきゅ!! そうよ!! あなたをためしただけよ!!!」 真っ赤になった顔を見られるように、勢い良く世の扉へと消えて行ったぱちゅりぃ。 「さようなら」 その言葉は、読経の様に静かな図書館内に良く響いた。 「むっきゅ~~♪」 中に入ったぱちゅりぃが見たのは、目の前にある本棚だった。 「むっきゅ~~~♪ むきゅ? むきゅ?」 取り出そうとしても取れない事に怒り出すぱちゅりぃ。 それもその筈、この本棚は精巧に印刷された本棚なのだから。 「むぎゅーー!! かえるーー!! さっきのほんだなのところーーー!!!」 泣きべそをかき、入ってきた扉をがさごそ弄る。 「むきゅ? むっきゅ~~~!!!!」 が、扉は開かない。 「むっきゅーーーー!!! なんであがないのーーーー!!!!」 何故なら、鍵がかかっている為だ。 「むっぎゅーーー!! ……むきゅ?」 漸く、この部屋の中に存在する唯一の立体物を発見したぱちゅりぃ。 「むきゅ? むきゅ?」 丁寧に描かれた絵に従って、自分の体にベルトを付けていく。 「むきゅ? これをおすのね!!」 最後に、大きなボタンが描かれた絵がある、その隣には本の絵が。 「むっきゅ~~~♪ はやくごほんがよみたーーい!!」 ポチ 「むっきゅ~~!! ……!!! むっぎゅ!! むぎゅ!!!」 スイッチを入れた途端、四肢に繋がれたベルトが勢い良く動き出した。 「むぎゅ!! むぎゅ!!」 それは一定のリズムを刻んでいる。 しゃがみ込み、地面に両腕を付ける。 そのまま足を後ろに伸ばす。 足を戻し勢い良くジャンプ。 この時、両腕を叩くのを忘れない。 「むっじゅ!! どめでーーー!!! ゆっぐりざぜでーーー!!!」 一回この動作をしただけで、既に息が上がってしまったパチュリー。 「む……はぁはぁ!! むぎゅ!! どめでーーー!!!」 息も絶え絶えに、懇願するが生憎と全自動のこの装置に監視員は居ない。 「むぎゅーー!!!! むぎゅーーーー!!!! おえ!! おぇーーーー!!」 口の中から勢い良く餡子が漏れ出す。 綺麗な緑色をした鶯餡。 「おぇ!! お゛お゛お゛お゛お゛ね゛がい゛じま゛ずーーー!!! ゆ゛っ゛ぐり゛ざぜでーーー!!!」 既に大量の餡子を吐き出して居るが、体は余り細くなっていない。 顔が若干やつれているだけだ。 「ゆーーーー!! もううごげないいいいい!!! だずけでーーー!!!」 延々と、無理矢理体を動かされ続けるぱちゅりぃ。 幸いな事に、後一時間もすれば、致死量の餡子を吐きだしゆっくりできるだろう。 「ゆ!! おぇ!! おぇええーーーー!!!!」 体が弱い分、少なくなった餡子を高速で生成できるゆっくりぱちゅりぃ。 その能力が苦しみ以外を与えてくれた事は、後にも先にも無いだろう。 「むっぎゅーーーーーー!!!!」 ゆっくりいじめ系426 ゆっくりぱちゅりぃ2 このSSに感想を付ける
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GSPOー幻想郷総合警邏機関。 それは博霊の巫女の鶴の一声によって作られた 幻想郷の小さな事件や異変を解決する警察みたいな組織である! 【登場人物】 ジャック GSPOゆっくり課の隊員。人間、男性、20代。 性格の悪いゆっくりは嫌いだが素直なゆっくりは好き。 標準装備はGSPO隊員に支給される拳銃。早撃ちが得意。 最近レフィが嫌みを言わなくなって機嫌がいい。 レフィ GSPOゆっくり課の隊員。妖怪、女性、年齢不明。 前は何かにつけてジャックに絡んできていたが今は矛先をYdmtⅩにかえている。 ジャックのことが少し気になる様子。 ドスまりさ ジャックによってゆっくりから解放されGSPOに入ったが、 上層部に気に入られGSPOのマスコットになってしまった。(第一話参照) YdmtⅩ GSPOゆっくり課の隊員。メカ、性別不明、まりさ型。 性能テストともかねて入隊したところ初日に大活躍したため(第三話参照) 幻想郷の名誉住民になった。バルカン砲やミサイルなど結構重武装。 レフィとよく言い争いをしている。(ジャックは漫才と言ってるが) __________________________ 「暇ね~。」 レフィが足をばたつかせながらボヤく。 足下では掃除ユニットを装着したYdmtⅩが 壁にぶつかっては進路を変え、ぶつかっては進路を変え、 まるで全自動掃除機のように動いている。 最近は珍しく一通の通報もなかった。 平和なのはもっともだが事件がないと商売あがったりで困る。 まあ、他の課の連中は結構忙しそうなあたり決して平和とは言えないがな。 「折角だしパトロールいくか。」 今までは人員が少なくてできなかったが三人(?)になったのでできるようになったのだ。 「パトロール行く人~。」 「は~い。」 「お断りします。」 「YdmtⅩが行かないなら私が行くわね。 でも何で行かないの?いい暇つぶしになるのに。」 「今日は一人で整備したい気分なんです。」 と言って帽子を持ち上げ、中から様々な工具を持った無数のロボットアームが伸びてきた。 工具がYdmtⅩのボディを止めてるボルトや何やらをてきぱきと外していく。 ボディをはずすと基盤剥き出しの結構キモイ姿になり、 なんだかいい気分じゃないのでレフィとさっさと外に出る。 俺たちと入れ替わりに入った掃除のおっちゃんが悲鳴をあげていたが気にしない。 ゆっくり課のパトロールってのは実際はあまりやることがない。 俺たちが必要な事件なんて通報されるし、ゆっくりが命を失うことはロス並みに日常茶飯事だからだ。 まあ、一度だけ目の前で群の襲撃が起こったから阻止したことはあったが。 「あ、ゆっくり発見。」 レフィが指さす方向をみると、緑色のリボンをつけた珍しいゆっくりがいた。希少種かな? 「ゆっくりふゅーじょんしましょ?」 「かわい~。」 レフィが希少種ゆっくりを撫でようと手を伸ばした瞬間。 「触るな。そして動くな。」 後方からドスのきいた声が響く。 声の主は相当な殺気を放っているため従わざるを得ない。 そして後方の誰かが手を突きだした途端、希少種ゆっくりが灰色になって動かなくなった。 「いいぞ、動いても。」 プハーと深呼吸して地べたに座る。 後ろを振り向くと、ローブのような服を着た男が立っていた。 「誰かと思えばゆっくり課の連中か。」 男が口を開く。こいつもGSPO隊員なのだろうか。 「いい子そうなゆっくりだったのにいきなりひどいんじゃない?」 「ひどい? まったく、ゆっくり課の癖に危険指定ゆっくりのことも知らんとは度し難いな。」 危険指定ゆっくり。 希少種の中には人体に有害だったり、ひとたび暴れると甚大な被害を出す種があり、 これに指定されたゆっくりには触らない捕まえない餌をあげないと呼びかけられている。 最近は長らくそういうゆっくりを見てなかったからすっかり忘れてたぜ。 男が動かなくなった危険指定ゆっくりを持ち上げる。 動かなくなったというよりは石になったが正しいな。 「こいつはゆっくりうつほという種でな。 迂闊に触れて『めがふれあ』なんて言われたら体内の核融合炉がメルトダウンを起こし、 周囲が放射能で汚染され何百年も生物が生きられない地になるんだ。」 「そう、ごめんなさい。私最近ゆっくり課に配属されたばかりで知らなかったの。」 「なら覚えておくんだな。見慣れないゆっくりには迂闊に触れないことだ。」 「ところであんた、やけにゆっくりに詳しいじゃないか。どこの課の誰だ?」 「私はRW課のマーゼンだ。」 RW課!? マジかよこいつあの化け物集団の奴だったのか。 RW課───リーサルウェポン課は一般の隊員には手が着けられない大事件を担当する特別な課だ。 テロリストや武装集団の繊滅、時限爆弾の解体に危険指定ゆっくりの処理等 RW課の担当する事件はたいてい多くの人の命がかかっているため、 選りすぐりのエリートしかなれないって話だ。 つまりは化け物の集まりってこと。 まあ、そんな事件なんて滅多に起こらないから普段は給料泥棒状態なんだが。 「ゆっくりうつほを目撃したと通報があってな。 RW課の隊員の中で石化処理ができるのは私だけなので こうして赴いたらイチャついた君達が起爆スイッチを押そうとしていたいたというわけだ。」 「「イチャついてない!」」 声がハモる。二人して赤面する。 「…まあ悪かったな。俺はジャック、ゆっくり課の隊員だ。」 「私はレフィ。同じくゆっくり課の隊員よ。」 「先ほどもいったがRW課のマーゼンだ、よろしく。 まあ私は石化処理ができるという立場上、危険指定ゆっくりに関わる事件に遭うことが多い。 君たちと関わることも多くなるだろう。」 できればあんまり関わりたくないな。 「ところで────」 マーゼンが話を切り出す。 「君は人間か?」 「俺?俺は人間だが。」 「フゥ、よかった。私は近くに妖怪がいるとアレルギーで…。」 「私妖怪だけど。」 そう言うレフィを見てみるみるうちに顔が青くなるマーゼン。 「うげえええええ!!!エレエレエレ。」 「うわっ!汚ねえっ!吐きやがった。」 「大丈夫!?」 「レフィとやら…よ…寄らないでくれ…悪化する…げろげろー。」 「水でも持ってこようか?」 「ああ、頼む…。何か甘い物もくれ…。」 十分ほど吐き続けてげっそりな状態になりぶっ倒れるマーゼンを介抱する俺。 レフィは離れたところでおとなしくさせている。 綺麗な川で水を汲み、マーゼンに飲ませる。 あとは甘いものか。外で手に入る甘いものといやあ…。 ある平原で幼なじみのれいむと待ち合わせをしていたまりさのもとへれいむがやってきました。 「ゆ~ゆっくりしていってね!」 まりさが挨拶をします。 「ゆゆ!ごめんねおくれちゃった! どうやら時間に遅れてしまったようですがまりさは気にしていない様子です。 「ぜんぜんまってないよ!なんのようじ?」 「まりさ、きょうはねはなしがあるの!」 「ゆ?なあにれいむ。」 顔を赤らめもじもじするれいむ。 「れいむね、まりさのことがね…すきなの!」 子供の頃から一緒だったまりさへの愛の告白。 「ゆっ!まりさもだよ!」 「ずっといっしょにゆっくりしようね!」 幸せの絶頂です。二人でこれから助け合って生きていこうと決意します。しかし…。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしてびびゃあああ!!」」 甘味確保。弾丸がしっかり貫通しているか確かめる。 幸せそうなゆっくりを殺すのは嫌いだがこちとら人命がかかってるんだ。 恨むならマーゼンかレフィか神様にしてくれ。 「助かった…。礼を言う。」 俺が捕ってきたれいむを貪りながら復活したマーゼンが言う。 「私は昔から妖怪アレルギーでな。妖怪に近づくとひどい状態になるんだ。 魔法使いになれば直ると思って捨食の術も試してみたが変わらなかった。」 「へ~大変だな。 っていうかおまえ魔法使いだったのか。」 「まあな。体があまり丈夫でない私は術が得意だったからな。 先ほどうつほを石化処理するときに使ったのも術だしな。」 「いや、男の魔法使いなんてきいたことなかったからな。」 「まったくこれだからこの世界は度し難い。 女尊男卑が行き過ぎている。 力もない、子も産めない男に存在価値が見出せなくなりつつある。 私はいつかこの流れを断ち切ってみせる。 男尊女卑まで行かずとも男女平等には持っていきたい。」 なんか語り始めたぞこいつ。 あまり深く関わらない方が良さそうだ。 「でもそんな体質じゃあRW課の仕事なんてできないんじゃないか? 結構妖怪相手に戦うことだってあるだろうに。」 「そのときは抑制剤を飲むのだが、その前に…。」 マーゼンが余ったまりさ(半殺し状態)をもって草むらに入る。 そして 「ゆぎゃあああああああああ!!!」 死に掛けてたとは思えないほどの断末魔が草むらから聞こえてきた。 「ふう、すっきりした。」 「何したんだよ。」 「いや、少し精力付けを…。」 「性力の間違いだろ!!」 まりさの死体の口から白濁色の液体が出ていた。 「いや、ケフィアだ。」 どうやらこいつは見た目と態度に比べて相当な変態らしい。 「…とりあえず今鎮静剤を飲んだからもうレフィとやらを呼んでいいぞ。 どうせ今から暇なのだろう? 介抱してくれた礼におもしろいところへつれていってやろう。」 礼もなにも原因は俺たちなんだが気にしない。 面白いところっていうので少し不安になったがいざとなればこいつを殴って脱出すればいいしということで行くことにした。 離れて野良ゆっくりと遊んでいたレフィを連れ戻し、マーゼンについていく。 しばらく歩くと立派な家が見えてきた。 屋敷と言うには足りないが、一軒家の中ではいい方に入る大きさだ。 「私の家だ。」 まじかよ、こいつこんな家に住んでやがるのか。 RW課は皆高給取りって話は本当だったんだな。 安月給で貧相なアパートに住んでいる俺の身にもなってみやがれ。 マーゼンの家に入り、怪しげな扉を抜け地下へ進む。 ズラーっと並ぶビーカーの中にはホルマリン漬けのゆっくりが標本のように浮いてやがる。 レフィはうわーって顔をしていたがマーゼンにこいつらは人間に迷惑をかけたゆっくりだと説明されたら真顔になった。 「ここは私のゆっくり研究所だ。 主に未だ謎の多い希少種の研究をしている。 加工所ではあまり希少種についての研究はされていないしな。」 怪しげな実験器具のある部屋を見せながら説明する。 「べべべべべべべべべべ!!」 ある部屋では電気椅子にゆっくりもこうが縛り付けられて拷問されていた。 電気椅子のコントローラーのコンピュータの画面には 『6:こげ』と表示されている。 「これはなにの実験なの?」 「不死と言われているもこう種をどうやれば始末できるかの実験だ。 もこう種にはなぜか石化処理がきかないのでな。 もこう種の関連する事件が起こる前に調べておかねばならん。」 「ぎゃぴいいいいいいいい!!!」 断末魔をあげ黒こげになった体から煙をもうもうと上げるもこう。 次の瞬間「もこたんいんしたお!!」と言いつつ焦げた皮を破って復活しやがった。 「電気椅子レベル6もダメ…か。電撃なら効くと思ったのだが。 気に食わんからもう一回死んでこい。」 マーゼンが残念そうな顔をして再び電気椅子のスイッチを入れた。 「べべべべべべべががががががが!!!」 もこうの悲鳴だが電撃音だかわからない音が木霊する。 「うわっ!」 「すごーい!れてぃがいっぱい!」 次の部屋には行った俺たちは思わず叫んだ。 だだっ広い部屋にずらっと並ぶレティの列。 「ここはレティをどうすれば効率よく始末できるかを調べているのだ。 レティは希少種の中でも数が多い方でな。 一匹出るたびに大騒ぎになるから駆除法を確立しておきたいのだ。 実験に回数を重ねる必要があるため繁殖させたのだ。」 ゆっくり相手によくやるぜ。 まあ確かにれてぃは手強いからな。 以前駆除依頼があった際、倒すのに丸一日かかった俺は身を持ってそれを知っている。 「次の部屋は女性には刺激が強すぎるかもしれん。 レフィよ、ここで待っておいた方がいいぞ。」 次の部屋の扉を前にマーゼンが忠告する。 「そんなこと言われたら気になるじゃないの。 大丈夫よ。少々のことじゃ驚かないから。」 「そうか、なら入るがよい。」 「HAHAHA!!ここか!ここがいいのかな?」 「やべでえええでいぶのう゛ぁーじんがあああ!!!」 「犯(まわ)せ犯(まわ)せ!」 「バターニシチマイナ!」 「よし!次は3Pといこうか!フフフフフ!」 「いやああああああああ!!!」 「そんなこといっちゃって!喜んでるじゃないか!」 酒池肉林。一言で言うとそんな光景だ。 ホールのような広い部屋で人間×ゆっくりの乱交パーティーが行われていた。 レフィはとっくに気絶してぶっ倒れている。 「ここは?」 「人間とゆっくりの間に子ができるという噂があるだろう? それの実験だ。」 人間とゆっくりの間に子ができる───いつしか広まった噂だ。 生物学的にはあり得ないのだがいくつか前例があるらしく 嘘か真か未だにはっきりしていない。 だがもしハーフなんて生まれたら一番気の毒なのはそのハーフ本人だろう。 「火のないところに煙は立たぬと言うだろう。 私は真実が知りたいのだ。 そのためにゆっくりレイパー達にギャラを払って協力してもらっているのだ。 たまに私も参加しているがな。 欲がたまったときはこれに限る。」 真剣な面もちで淡々と語るマーゼン。相当な変態だぜこいつ。 あまりいい気分でもないのでレフィをたたき起こし次の部屋へ。 次の部屋はなにもない部屋だった。 「ここは通常種のゲスゆっくりとの戦闘シミュレーションをする部屋だ。 まあ相手は本物のゆっくりだがな。」 そう説明しながら壁のボタンを押すマーゼン。 すると奥の壁からゆっくりまりさが出てきた。 「ゆっへっへ!にんげんがまりささまにかてるとおもっているのぜ?」 そういってこちらに向かってくるまりさ。 マーゼンが右手を挙げると、まりさの足下に赤い魔法陣が現れ そこからわき出た炎によってまりさは跡形もなく焼き尽くされた。 「…とまあこんな具合だ。」 「へえ、おもしろそうだな。一回やらせてくれ。」 俺は壁のボタンを押すが、なにも起こらない。 マーゼンがにやにやしながら壁の細い穴を指さしつつ俺に言う。 「コイン、いっこいれる。」 絶対こいつ変人だ。 十円払い、出てきたまりさを腹いせに蜂の巣にしてやった。 「どぼじでにんげんにがでないのおおおおおお!!!?」 知るか。 「最後の部屋だ。」 重厚な扉を抜けると、観察室のような部屋だった。 ガラスの壁の向こうには閉ざされた部屋。 「希少ゆっくりの危険性を調べる部屋だ。」 マーゼンがパネルを操作すると、ガラスの向こうの部屋に外でマーゼンが処理したのとおなじ、 うつほ種がせり上がる床に乗り現れた。 「こうやってうかつに触ると…。」 ロボットアームを操作し、うつほに触れる。すると。 「めがふれあ!」 ボンッという音とともに目の前に広がるキノコ雲。 核融合炉というよりまるで核爆弾じゃないか。 しちしとうをくれと言いたい。 マーゼンがいなかったらあのとき生身でこれを食らうかもしれなかったと思うとぞっとする。 というか核爆発を食らってもビクともしないガラスがすごいや。 案内も終わり、外へ出る俺たち。 すっかり夕方になっていた。 「暇なときはまた来るといい。今度はもっとすごい実験を見せてやるぞ。」 二度と行くもんか。 とりあえずYdmtⅩを待たせているのでマーゼンに別れを告げ急いで帰る。 「遅かったじゃないですか!さてはパトロール行く振りをして二人で あんな事やこんな事してたんじゃないでしょうねー。」 「「違う!」」 声がまたハモった。最近よくハモる気がする。 マーゼンの事について話すとYdmtⅩは 「今度私も連れていってください。」といった。 そのうち連れてってあの乱交パーティーを見せつけ度肝をぬいてやるのも悪くないだろう。 あいつに肝があるかどうかは別だが。 翌日。オフィスに行くと、マーゼンがいた。 「何でおまえがここにいるんだよ。」 「いや、な。RW課だけだと仕事が少ないから服属としてこっちに来ることになったんだ。 私以外は妖怪課に行ったようだが。 まったく誰か上層部に研究所のことを告げ口したのか? 私は人間課の方がよかったというのに。」 「マスコットのドスまりさが上層部にチクったらしいぞ。」 「度し難いな。後で仕置きしてやらねば。」 そのドスに吹き込んだのは俺だがな。 その後、アヘ顔のドスと服装の乱れたマーゼンが戻ってきた。 何があったかは本人のみぞ知る。 ~後書き~ うん、こう言うのも悪くないね。 実験物は結構好きだったりする。 ついでに人間×ゆっくりも。 感想書いてくれる人ありがとう! すっごくちからになるよ! 過去作品 「ゆっくり兵」 「ゆっくり焼き串」 「アサシンゆっくり2 お兄さん虐め編」 「ゆっくり護身術」 「ゆっくりになった男1」 「ゆっくりになった男2」 「ドスのいる村」 「食ゆ植物」 「ゆっくりミキサー車」 「GSPOゆっくり課」 「GSPOゆっくり課2」 「GSPOゆっくり課3」 このSSに感想を付ける
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ゆっくりくずまんじゅう ※若干うんうん注意 赤ゆっくりいじめです 私は里で和菓子の店を営んでいる。 店の名前は水逸(すいいつ)という。創業当時からの名前だ。 断じて「すいーつ」と読まないでいただきたい。断じて。 今回は新商品のお披露目ということで、射命丸 文さんが取材に、来ていない。 「流石は人気店、厨房も充実していますね。おお老舗老舗。」 今私の目の前にいるのは、射命丸さんの使いのきめぇ丸さんだ。 「・・・・・。」 内心の落胆を隠せているかどうか。これが本物の文さんだったら私は・・・・! 「どうかしましたか?」 「いえ。」 きめぇ丸という種はゆっくりでありながらその高い知能により、 このような仕事も任せられる程に人間と共存出来ている。 そう、ゆっくりだ。 ゆっくりの登場は、幻想郷の甘味事情を一変させた。 タダ同然で餡子やカスタードが手に入るようになり、 従来より安価な菓子が大量に作られるようになった。 その為、多くの甘味店(ゆっくりを前面に押し出した店も多い)が雨後の筍の如くに興った。 最も、ゆっくり加工場が出来てからは野生のゆっくりを直接捕まえ 即調理ということはほとんどなく、加工場印の餡子を仕入れる。 加工場では野生のゆっくりを捕まえるだけでなく、 施設内で養殖、更に品種改良まで行っているという。 こうして、加工場を中心にゆっくりが取引されるという構造が出来上がったのである。 だが、私から言わせてもらうなら・・・・ ゆっくりにだけ頼っているようでは、和菓子職人としては二流だ。 餡子は何で出来ているか? (最近はゆっくりからしかとれないと思っている子どもが増えているらしい・・) 無論、小豆だ。 自分の足で小豆の農家へ出向き、指と目で豆を選び、舌を頼りに味付けして、 納得出来る味に仕上げてこそ、和菓子を語るに足りる。 しかし・・・今回私はゆっくりを使った和菓子を作ることになった。 このような運びになっているのは加工場からの依頼がきっかけである。 『里屈指の老舗である水逸さんに新商品開発を協力していただきたい。 条件は一つだけ。ゆっくりを使ったものであること。』 自分の店でゆっくり菓子を出すことなど毛程も考えないが、 私も和菓子職人の端くれ、新しい菓子を作ることには興味を禁じ得ない。 更に、今回の仕事を成功させることは、私の精進の足しにもなるのではないか。 そう考えた私は、試行錯誤の末、今日の文々。新聞の取材を受けるに至ったのである。 「では、作業に移ります。」 「どうぞどうぞ。」 まず私は、今回の「材料」の入ったかごのふたを開ける。 すると。 「・・・ゆっ!!やっちょでりゃれりゅんだじぇ!! じじいはまりしゃしゃまたちにごはんもっちぇくるんだじぇ!!」 「あまあまのにおいがしゅるよ!!ここをれいみゅたちの ゆっきゅりぷれいしゅにしゅるよ!!じじいはでちぇいってね!!」 「これはこれは。威勢のいいのが手に入りましたね。」 「・・・・はぁ。」 これだからゆっくりは嫌なんだ。 試作段階でゆっくりを相手にしてきてわかったのは・・・・ 最近ではおとなしく、利口で純粋なゆっくりはペットとして飼われる事が多いため、食用にま わされるのは馬鹿だったり、俗にゲスと呼ばれている種類が大半を占めているという事だ。 ゆっくり料理専門店の料理人などはある意味尊敬する。 いまだかごの中でゆぅゆぅ生意気言っているのは、今回の製品に合わせた ピンポン球サイズの10匹の赤ゆっくり達だ。れいむ種とまりさ種が半々である。 昨日加工場から送られてきたものを一晩放置したものだから、口々に餌を要求してくる。 挙句、かごの中はゆっくり達の排泄物(彼らは「 うんうん」と呼んでいるらしい)が散乱している。 実際、これは古い餡子らしいから下ごしらえとして好都合な訳であるが。 「じじいはれいみゅのうんうんでもたべちぇね!!しょしたらゆりゅしてあげりゅよ!!」 「「「たべちゃね!!」」」 きめぇ丸さんはこれらの様子をパシャパシャとカメラにおさめている。 私はゆっくり達を掴むと、流し台の桶に入れていく。 「ゆ~~~♪おしょらをとんでるみた・・・じじい!! ここはさっきよりもしぇまいよ!!ぷんぷぷぷぷ!!!」 騒ぐ口に水流を浴びせてやる。 「がぼがぼ!!」 「ちゅめたくてきもちいよ~~~!!」 饅頭達を洗う手をそのまま握り込みそうになるが我慢。 射命ま・・・きめぇ丸さんだって見ているのだ。 洗い終わったら、ふきんの上で水気を切る。 「ぷりゅぷりゅぷりゅ!!!」 風呂上がりの犬とかがやったら可愛い仕草も、こいつらがやると苛立ちしか感じない。 「「「「しゅっきりーー!!」」」」 「つぎはごはんなんだじぇ!!ふろのあとはごはんを よういしゅるとしょうばがきまっちぇいるんだぜ!!」 私はお前の嫁か。 私の嫁はあや、何でも無い。 さて、いよいよ本格的な調理だ。 一匹の赤れいむを手に取る。 「おしょらをry」 そして、おもむろに顔の側面から。 「ゆ~~♪ゆゆゆ”!!」 包丁を入れる。 絶叫。 「ゆっぎゃあああああああああああああああ!!!!」 「「「でいぶ!!!」」」 そのまま桂剥きの要領で背中の方へと刃を進める。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!!!!」 「やべじぇあげでね!!いぢゃがっでるよ!!!」 「やべでばやぐゆっぐりじゅるんだぜえぇぇ!!」 抗議の声などどこ吹く風。もう慣れた。 「いい絵です。」 苦悶のゆっくり達にとっては場違いなシャッター音が連続する。 目と口を傷つけないように刃が一周した。 「かぴ・・・かひぃ・・・」 剥かれた赤れいむの体は丁度破れ饅頭のように 薄皮だけを残して、黒々とした餡子が透けている。 きめぇ丸さんがふいに剥けれいむに顔を近づける。 「ふぅー」 「ばびぃっ!!!ばびびびびびび!!!」 「おお、まるで痛風ですね。」 吐息さえも激痛らしい。 もちろん吹いた瞬間の彼女は脳内変換されて私の記憶におさまった。 残るは9匹か。 ボウルに手を伸ばす。 「ま”ま”ま”!!ま”りしゃじゃなくてこっちのれいみゅがやりたいっていってるぜ!!」 「どぼじでぞんなごぢょいうのおおおおぼぼ!!」 ゲス赤まりさの帽子を取り上げる。 「ゆ”!!おぼうじがえじぢぇ!!」 帽子を追って飛び上がったところを反対の手でキャッチ。 「次はお前だ。」 「ゆぐ・・・・ゆぐぐ・・・」 剥き終わった10匹を机の上に並べると、私は次の作業に移る。 鍋に水を張り、その中に白い粉末を入れる。これが今回の肝だ。 更に砂糖を加えてかき混ぜ、ざるでこしたものを火にかける。 「素晴しい表情ですね。」 背後ではきめぇ丸さんが哀れな餡子玉10個を撮り続けている。 「そうだ。」 どこから持ってきたのか、彼女は鏡を10匹の前に置く。 「びふぉーあふたー」 「「「ぱ・・・ぱぴぷぺ、ぽおおおおおおおおおお!!!」」」 「べびびゅのやわはだがあああああ!!」 「ぎょんなのずーばーはんしゃむばりざざまじゃないんだぜええええ!!」 「おお、劇的劇的。」 阿鼻と叫喚の混声合唱な背後をよそに、鍋の中では変化が起こっていた。 水に徐々に粘り気が出てきて、色も透明から白っぽい半透明へと。 ここからは焦がさないようにへらでかき混ぜる。 「よし。」 鍋を火からあげておき、今だ叫び続けている10匹に向き直る。 調理ばさみを手に取ると、ゆぐゆぐ泣いているれいむの口に突っ込む。 「ぼうやみぇで・・・」 すぱっ。 舌を根元から断ち切る。 「!!ひゅひゅ!!!ひゃふぇてふゅふぇへへへ!!」 喉の奥で刃先をぐりぐりと回す。 「~~~~~!!!~~~~~!!!!」 これで、れいむの口はものも飲み込めないし、声も出せなくなった。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ””!!!!」 「でいみゅのびせいがあああああ!!!」 騒ぐ残りにも全く同じことをする。 「「「~~~~!!!~~~~!!!!!!!~~~~~!」」」 「随分静かになりましたねえ。」 ゆっくりをゆっくりさせないことが至上である きめぇ丸さんは悲鳴が聞けなくなって少し残念そうだ。 「これからもっと面白いものが見れますよ。」 その後、5匹ずつにゆっくりを分ける。 片方は放置し、もう片方のゆっくり達の目を、匙で抉る。 口も同様に、ごっそり抉る。 5匹の顔は3つの穴が空いて丁度ボーリングの玉のようになった。 この間も、5匹は小刻みに痙攣している。 その空洞に餡子(自家製)を詰め、小麦粉で薄く覆っていく。 「これは・・・」 きめぇ丸さんも感嘆?している。 のっぺりと更地になった5つの震える顔面がこちらを向く。 そこへ、用意しておいた焼き鏝を押し付ける。 じゅ~っ。 一際大きく震える5匹。 鏝を外すと、そこには _,,........,,_-''" `''\ヽ \ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _____ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', ir-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ 小生意気な笑顔の典型的「ゆっくり」の顔が浮かんでいた。 もはや焼き鏝に失礼な刻印だが、加工場からの注文だから仕方ない。 「次で最後の工程です。」 「いよいよなのですね。」 私は10匹の飾りを外す。どうせ食べられないのだが後でつけ直すのでとっておく。 先ほどの鍋の中から、まだ熱い半透明の液を一匙、まな板に広げる。 その上に、顔を整形していない方の赤まりさをのせる。 「~~~~~~~!!!(あぢゅいいいいいい”!!!)」 声は出ないが顔の動きから熱さで相当苦しんでいることがわかる。 少し待って、膜状に固まった半透明の皮で、赤まりさをくるむ。 ちなみに、ゆっくりの口内を破壊したのはこの皮を食べないようにする為だ。 丸まったそれを、氷水を張った桶の中に入れる。 ちゃぽん。 「ご主人、これは・・・」 きめぇ丸さんにもわかってきたようだ。私が何を作っているのか。 そうこうしているうちに、最後の一個が氷水に沈んだ。 (ざざざざざざびゅい・・・ざぶういよぉ・・・) 寒さに震えるもの言わぬ饅頭達が、震えて氷をからん、と鳴らす。 「完成です。」 10個の饅頭を、皿へと並べる。 「おお・・・・」 「ゆっくりしていってね!!!」と言わんばかりの憎たらしい表情と、 白目をむいた醜い表情を、半透明の艶やかな膜ーー葛が覆っている。 「これが新製品、『ゆっくりくずまんじゅう』です。」 「クズ饅頭に葛の化粧とはこれいかに。」 今一度シャッターを切る音が響く。 「お一ついかがですか?」 「よろしいのですか?」 「ええ、きめぇ丸さんがゆっくりさせなかった おかげで、いい仕上がりになっていると思いますよ。」 「では、お言葉に甘えて。」 きめぇ丸はれいむを手に取り、リボンを外して口に入れた。 ひんやりとした葛の下から、責め苦で甘みとコクが増した餡子が溢れる。 (あんこでじゃううう!!・・・い、いぢゃいよぼ!!べびぶだべないでぽぉ!!) まだ生きているその体は痙攣し、葛のぷるぷるとした食感と相俟って実に心地よい。 (ゆ”っ・・・・ゆ”) 清涼感と甘さ、今までに無い食感がそこにはあった。 「素晴しい。私も舌が肥えた方ではありませんが、これは・・・」 「ありがとうございます。」 きめぇ丸さんからの賞賛に、私は歓喜した。 (やったよ文さ・・・) 「き!め!ぇ!丸!!いやこれは、 う!め!え!丸!!!!!」 ぶぅぅぅぅぅぅぅん・・・ 「その動きはだめえぇぇぇぇ!!」 『ゆっくりくずまんじゅう』の売れ行きは好調である。 文々。新聞での大々的な宣伝が効いたようだ。 更に、「虐待派」が存在するゆっくりならではの特別な商法も功を奏した。 普通に「葛饅頭」を想像してきた人には焼き鏝笑顔の饅頭を。 「クズ饅頭だと!?それは一体どんな食い物だゲァハハ!!」 というちょっとアレな人には天然顔芸の苦悶饅頭を。 流石は加工場、求められるものがわかっているというか。 かなりの個数が求められる今でさえ、私が一個一個手作りをしている。 無論、私の店には置かないし、店の商品の 仕込みもあるので激務と言えば激務なのだが・・・。 現に仕込み中の今、足下に固定した親れいむを思いっきり、蹴る、蹴る。 「ゆっ!!ぶっ!!がぼっ!!やべでえええええ!!! あがじゃんがえじでねえええええええええ!!!!」 私も、目覚めてしまったようだ。 〈fin〉 あとがき 前々からやりたかった料理ものです。もはや何番煎じかはわかりませんが・・・。 この後加工場へ「顔が笑ってるほうが旨いのは何故か?」という質問が来ますが、 それはこの職人さんお手製の餡子が目と口を埋める時に使われてたからで、 それを知った職人さんは自分の腕も捨てたもんじゃないなと少しほっこりしたりします。 全ての虐待ファンの方に感謝を。 またお目にかかる機会があったらよろしくお願いします。 今までの作品 紅魔館×ゆっくり系8 ゆっくりゃバーガー 虐 ゆっくり加工場系18 ゆっくり連環腿 虐 薬 道 慧音×ゆっくり系5 ゆっくり奇々怪々(上) 慧音×ゆっくり系6 ゆっくり奇々怪々(中) 慧音×ゆっくり系9 ゆっくり奇々怪々(下) その他 にちょりは仲良く暮らしたい。 ゆっくりいじめ小ネタ213 ゆっくり鞭打 by 少女Q
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多数の設定お借りさせていただいています セリフすっきり 出産要素 家族 ・赤ちゃん ***************************************************************** 赤ちゃんのゆっくり返し ***************************************************************** れいむは今までのゆん生を振りかえっていた。 やさしいおかあさんとたくましいおとうさん、 たくさんのおねえちゃんたくさんのいもうとに囲まれてゆっくりした日々。 おさんぽ途中に出会いひとめぼれしたまりさ。 思い切って告白したらまりさも好きと言ってくれた感動。 大好きなまりさと一緒にいれる毎日。 なら次にすることは…。 「ねぇ、まりさ」 「なに?れいむ」 「れいむたちゆっくりしてるけどさ」 「うん」 「あかちゃんがいればもっとゆっくりできない?」 「そうだね!あかちゃんがいればとってもゆっくりできるね!」 「じゃあ…しよ?きて…まりさ…」 「うんいまいくよ…」 「「んほおおおおぉぉぉぉぉ!!すっきりいいいぃぃぃぃぃ!!!」」 真夜中の山に響くゆっくりのクライマックスな叫び声。 行為が終わった後自分のお腹がふっくらと膨らんでいくのが目に見えた。 「ゆゆ?れいむにんっしんっしたよ!」 「やったねれいむ!かぞくがふえるよ!」 赤ちゃんが生まれたらどんなことをしようか。 一緒にいっぱいゆっくりできるご飯をむしゃむしゃしよう、 一緒にいっぱいおひさまに当たってぽかぽかしよう、 一緒にいっぱいおうたをうたおう、 一緒にいっぱいすりすりしよう、 一緒に…。 れいむが未来に見えるすばらしいゆっくりエブリディを想像している横で、 まりさはすっきり疲れか早々に寝込んでいた。 にんしんっしたその日かられいむは無性にお腹が減るのを感じた。 きっと赤ちゃんに栄養を欲しがっているんだ。 まりさにゆっくりできるご飯をたくさん取ってきてもらおう。 「あかちゃんのためにおいしいごはんをたくさんとってきてね!!」 「まりさがんばるね!」 まりさが外で頑張っている間は何をしようか。 そうだ、赤ちゃんがゆっくりできるようにおうたを歌ってあげよう。 「ゆっくりそだってね!あかちゃん!」 「ゆ~♪ゆゆゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪」 おうたを歌い疲れて眠ってしまっていたところにまりさが帰ってきた。 帽子にたくさんのご飯が詰まっている。むしゃむしゃして赤ちゃんをゆっくり育てよう。 「ただいまれいむ!あかちゃんのためにたくさんむしゃむしゃしてね!」 「これであかちゃんがゆっくりできるよ!」 「じゃあいただきますを「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」 「もうぽんぽんいっぱいだよ!あかちゃんゆっくりそだってね!」 たくさんご飯を食べたらもうお空が真っ暗。 早く寝ないと赤ちゃんゆっくりできないよね。 「おやすみ!まりさ!あしたもゆっくりしていってね!」 赤ちゃんのため食っては歌い食っては眠りの生活が始まってからしばらくしたら、 お腹がにんっしんっする前の自分が入ってしまいそうなくらい膨らんだ。 たまに自分の意思に反してお腹がピクピクと動くことも増えてきた。 もうすぐ赤ちゃんに会える、とってもゆっくりした赤ちゃんに…。 そのためにはたくさんゆっくりしてあげないと! 「まりさ!きょうもよろしくね!」 「…うん!まりさがんばるよ!!」 ***** ところ変わってれいむのお腹の中。 すでに形の整った5匹の赤ちゃんが相談していた。 「おきゃーしゃんとっちぇもゆっくちしてるね!」 「ゆっくり♪ゆっくり♪」 「そのゆっくちにまりしゃはどうやっておかえちしようか」 「ゆゆーん♪そんにゃのかわいいれいみゅをみればいちころだよ!」 「まりしゃそれだけじゃたりないようなきがするよ!」 「「「「ゆゆ??」」」」 一番の親孝行はゆっくりしている自分を見せることだ。 それだけではいけないのか?他の赤ちゃんが驚いた。 「きょれだけおきゃーしゃんがゆっくちちてくれてるんだもん! まりしゃたちをみるだけじゃおかえちにならにゃいかも」 「「「「ゆー……」」」」 とってもゆっくりしているお母さん。 そんなお母さんをゆっくりさせるには自分を見せる以外のワンポイントゆっくりが必要。 そう感じて赤ゆっくりたちは考え込んだ。 「れいみゅゆっくちおもいついちゃよ!」 「どんにゃことしゅるの?」 「れいみゅきゃわいいことびゃをつかっちぇゆっくちしゃせてあげりゅよ!」 「どんにゃの?ゆっくちおしえちぇね!」 「こうやりゅんだりょ!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!!」 「ゆゆーん♪しゅっごくゆっくちちてるね!」 赤れいむは舌っ足らずなしゃべりを磨きにかけることで、 母性本能ならぬゆっくり本能を刺激しようと考えた。 「まりしゃはわいるどにいくよ!」 「ゆっくちきににゃる!」 「『ゆっくちちていってね!』いがいのあいさつをしゅるよ!」 「かっきょいいね!」 赤まりさは『ゆっくちちていってね!』と言わずに、 自分オリジナルの挨拶を実行することで、 今までの赤ちゃんとは何かが違う感を出すことにした。 「れいみゅはへんかきゅうだよ!」 「へんきゃきゅう?」 「うちろからうまれりゅよ!」 「おきゃーしゃんもびっくちだね!」 普通ゆっくりの胎生型出産の場合、赤ちゃんは顔から出てくる。 赤れいむはその法則を覆すことによって、 お母さんに新鮮な驚きを与えようと考えた。 「まりしゃはかきぇにでるよ!」 「どんなかきぇかおちえてね!」 「おきゃざりをもっちぇいかないよ!!」 「ゆゆ!それはゆっくちできないよ!」 「ふっふっふ…まりしゃはちゃんとかんがえちぇるよ!」 飾りのないゆっくりは他のゆっくりにゆっくりできないゆっくりと言われる。 赤まりさはあえて飾りを捨てることにより、 この子はお母さんがゆっくりさせてあげなきゃだめだ、 と使命感を煽るように演出しようとした。 「れいみゅはなにかおもいついた?」 「れいみゅは…ひみちゅだよ!」 「もったいぶりゃないでゆっくちおちえてね!!」 「あとのおたのちみだよ!」 ***** 「むーしゃ!むーしゃ!しあわうっ!!」 まりさの持ってきたご飯を食べた直後、 お腹に今までに感じたことのない強い痛みが走った。 「いだ゛い゛い゛い゛!!れいむのぼんぼんさけちゃう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 「れいむ!あかちゃんがうまれるよ!がんばって!!」 れいむの顎のあたりにぽっかり穴が空き、そこから赤ちゃんが見える。 しかしその穴は狭い、そこへその穴の2倍以上の大きさの赤ちゃんが通ろうとしている。 皮が引っ張られ今にもちぎれそう、痛みがゆっくりとゆっくりとれいむを蝕んでいく。 「うぐぐぐぐぐぐ!!」 「れいむ!あかちゃんだよ!あかちゃんのかおがみえたよ!!」 痛みで意識を失いそうな中、赤ちゃんという単語だけがれいむの精神をつないでいた。 早く赤ちゃんに会いたい!この思いがれいむの体を無意識に動かしていた。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!」 「れいむ!もうすぐだよ!あかちゃんでてくるよ!」 ポンッ! その音と共にれいむを蝕んでいた痛みが急速に引いていった。 ようやく辺りを見回す余裕を得られたれいむが見たものは…。 つぶらなおめめ、かわいいお口、しっとりと黒い髪に、 蝶のような大きなリボンを結んでいる。 まるで自分を見ているように思えるほどれいむに似た赤ちゃんだ。 赤ちゃんを産んだらまず何をするか、挨拶だ。 「ゆっくりしていってね!」とお互いに言いあうことではじめて、 お互いにゆっくりできる存在と認識することができる。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!!」 どうもおかしい。 うまくしゃべれない赤ちゃんでも「ゆっくちちていってね」くらいは言えるはずだ。 なのにこの赤ちゃんはそれすら言えてない。 これは聞き違いなんだ、もう一度やり直して…。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!! ゆゆ?おきゃあしゃんっはちょおうっちぇもぅゆっきゅちちちぇりゅにぇえ!! きゃひゃいひれいみゅをみちぇみょうぅちょゆっきゅちちちぇいっっち」 「うまくしゃべれないあかちゃんはゆっくりしんでね!」 「ゆべっ!」 なかなな挨拶ができない赤れいむにしびれを切らしたまりさは、 赤ゆっくりにあんよの一撃をくらわせる。 「みゃぢゃ…ゆっきゅち…ちちぇにゃいにょに…」 「ゆっくりしね!」 ギリギリ息があった赤れいむにとどめの一撃が炸裂。 あまりにも展開が早すぎてれいむの餡子は付いていけない。 そして、まりさの下につぶれている赤れいむを見つけた。 なんで?なんで?なんで?なんで? (「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」) 「ど…」 (「すーりすーり!おかあさんのほっぺとってもぽかぽかさんだよ!」) 「どぼじで…」 (「おかーさんのことだーいすきだよ!」) 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「ちゃんとしゃべれないあかちゃんはゆっくりできないからだよ!」 ちゃんとしゃべれなくってこれから練習していけばいいじゃない。 ゆっくり見守っていけばいいじゃない。 それなのに…それなのに…それなのに…。 「れいむ!またあかちゃんがうまれてくるよ!!」 「ゆゆ!?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!」 初回に穴がある程度広がったおかげか、 二回目の出産はそれほど痛みを感じなかったが、やはり慣れるものではない。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!!」 ポンッ! 次に産まれてきたのは、 りりしい瞳、輝く金髪の上に形の良い山高帽をちょこんと乗っけた、 愛するまりさそっくりの赤ちゃん。 まりさに似てるんだ、だから挨拶もきちんとできるはず。 「ゆっくりしていってね!!」 「おーっちゅ!」 え…? なんで挨拶出来ないのだろう。 もしかしてれいむのことを弄んでいるのだろうか。 「ゆっくりしていってね!!」 「おーっちゅっちゅ!!」 「あいさつをきちんとできないあかちゃんはゆっくりしんでね!」 「おーっちぶじ!」 キチンと挨拶が出来ないとまりさに判断された赤まりさは早々に潰されてしまった。 愛するまりさに似た赤ちゃんがあっという間に餡子の塊へと姿を変える。 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「あいさつできないあかちゃんはゆっくりできないからだよ!」 挨拶なんて所詮形式的な儀式のようなもの。 それができないがためにいきなり殺されるなんてあまりにも不条理だ。 ゆっくり挨拶を教えることもできたのに…できたのに…できたのに…。 「れいむ!またまたあかちゃんがうまれてくるよ!!」 「ゆゆ??」ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!! 二回目の出産があれほど楽だったのだから、三回目はもっと楽だろう。 そうたかをくくっていたのだが。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!!ゆーゆっゆー!!!」 「どぼじでうばれでぐれないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 いくら力んでも赤ちゃんが出てくる気配がない。 まるで赤ちゃんが自発的に出る気がないように。 「れいむ!このあかちゃんおかおがないよ!」 「ぞんなわげないでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛?! いだい゛い゛い゛ぼんぼんいだい゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛」 「ゆ゛ーゆ゛っゆ゛ー!ゆ゛ーゆ゛っゆ゛ー!!」 実に最初の出産の数倍の時間をかけてようやくポンッ!と赤ちゃんが産まれてきた。 その時出産の衝撃で一時的に空を飛ぶ赤ちゃんと一瞬目があったような気が…気のせいだ。。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくちちていってね!!」 ちゃんと挨拶をしてくれた! 今まで挨拶が出来ないからってまりさが赤ちゃんをゆっくりさせちゃったけど、 ちゃんと挨拶できたからもうまりさは怒らないはず。 赤ちゃん、これからもずーっとゆっくりしていってね。 「ところであかちゃん」 「あかちゃんじゃないよ!れいみゅはれいみゅだよ!」 「どうしてうしろからうまれたの?れいむすごくくるしそうだったよ」 「あれはれいみゅがきゃわいくうまれてくるためにしちゃんだよ! とっちぇもゆっくちできちゃでしょ!」 「れいむをくるしめるあかちゃんはゆっくりしね!」 「きゃわいくってごべっ!」 まりさのあんよに潰されて物言わぬ饅頭となる赤れいむ。 何で?今度はちゃんと挨拶してくれたのに何が気に入らなかった? 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「おやをくるしめてはんせいしないあかちゃんはしょうらいゲスかくていだからだよ!」 ゲスになるかなんてこれからの教育次第でゆっくり決まるものじゃないか。 それなのに一回間違ったことをしただけでゲス確定なんて。 その理論ならなら自分はとんでもなくゲスな奴だ。 きっとまりさは焦っているんだ。なだめなきゃ、なだめなきゃ。 「まりざあ゛あ゛あ゛もっどゆっぐりじでよお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 「そんなことよりまたまたまたあかちゃんがうまれてくるよ!」 「ゆゆ?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛」 四回目の出産で、さらに先ほど無駄に力んだためか穴はもうガバガバ。 すんなりと産まれてきてくれた。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくちちていってね!!」 良かった。この子もきちんと挨拶できる。 ちゃんと苦しめずに産まれてくれたから、 きっとまりさも赤ちゃんのことを褒めてくれるはず。 このまりさに似たりりしい瞳に輝く金髪にその上にちょこんと乗った山高帽が………ない!? 「かざりがないあかちゃんはゆっくりしね!!」 「ゆべっ!」 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「かざりがないゆっくりはゆっくりできないでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??! ゆっくりかいのじょうしきでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!?」 確かに飾りのないゆっくりはゆっくりできない。誰が誰かわからないからだ。 でもこの赤ちゃんは飾りがなくても確かに自分たちの赤ちゃんということがわかる。 それならば飾りなんて本来の意味での飾りだ。 「さっきからゆっくりできないあかちゃんばかりうんでるね!ばかなの?しぬの?」 「でもまだあとひとりあかちゃんがのこってるよ!」 「ほんとう?だったらゆっくりみせてね!!」 お腹の中にはあと赤ちゃんが一人残っている感覚がある。 最後までゆっくりした赤ちゃんだもの、見ればきっとまりさもゆっくりしてくれる。 そしたら三人で末永くゆっくりしよう。 「あかちゃん!ゆっくりうまれてきてね!!」 ***** 一方れいむのお腹の中では赤れいむがゆっくりしていた。 「あなさんがひらいちゃけどれいみゅはうまれにゃいよ!」 「みんにゃはうまれちゃったけれでも、れいみゅもうまれちゃったら おきゃーしゃんのぽんぽんがさみちくなるからうまれないよ!」 「おきゃーしゃんのなかにずっといる。れいみゅのことがみりぇなくても、 れいみゅがぽんぽんにいるだきぇでおかーしゃんはゆっくちできるんだよ!」 「れいみゅおきゃーしゃんにあえないからさみちいけれども、 おきゃーしゃんをゆっくちできるならがまんしゅるよ!」 「おきゃーしゃんゆっくちしていってね!」 ***** 「あかちゃんはまだ?ゆっくりしすぎだよ?」 「どぼじであがぢゃんうばれでぐれないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??」 なぜこんな時に赤ちゃんが産まれてくれないのか、れいむは考えた。 もう赤ちゃんはすでに死んでいる。これはない、確かに赤ちゃんの感覚があった。 赤ちゃんは弱すぎて出ることができない。これもない。手助けすれば絶対出れる。 こうなれば自発的に産まれるのを拒否しているようにしか思えない。 つまり、 「まりさ!あかちゃんはれいむのなかでゆっくりしたりないんだよ! だからあかちゃんのためにたくさんごはんをとってきてね!! 「だまれ…」 「あかちゃんはえいようがたりないとしんじゃうだよお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??! そんなこともわからないなんてばかなの?しぬの?」 「だまれえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」 まりさは何てわがままを言っているんだ。 赤ちゃんはれいむたちをもっとゆっくりさせてくれる存在で、 そのゆっくりのために働くのは至極当然のことであって… 「おばえは!あかちゃんがでぎでがら!ずーっとばりざをえざをどってぐるどうぐみたいにじで! だまにのぞいだらおうだをうだっだりひるねじだりとおばえばっかりゆっぐりじでるじゃないか!!」 「でもれいむがゆっくりしないとあかちゃんは」 「ぞれはおおめにみるどじで!づがれでがえっでぎだばりざに! おばえはいだわりのごどばをがげだごどがあるか?!」 「あがぢゃんがでぎでがらおばえはいづもいづも「これであかちゃんがゆっくりできるよ」 とあがぢゃんのごどばがり!ばりざのごどなんでなーんもみでぐれない!」 「でもあかちゃんはだいじだよ?」 「ほらまだあがぢゃんのごど!!ばりざはおばえのどれいじゃない゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛!! じがもぜっがくのあがぢゃんはびんなゆっぐりできないやづら!! ごんなごどになるんだっだらおばえなんがどずっぎりじなげればよがっだ!!!」 「ど、どぼじでぞんなごどいう゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「どうもごうもあるが!!おばえのがおなんでにどどびだぐない゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」 そう言うとまりさは外に出て行ってしまった。 赤ちゃんのことを大切に思えないなんて恐ろしいほどのゲスだ。 でも今はそんなことより今は赤ちゃんの方が大事だ、早く赤ちゃんのためにむしゃむしゃしないと。 確か貯蔵庫に…。 「どぼじでごはんざんがないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!??」 きっとまりさがこっそり全部食べてしまったんだ。なんてゲス。 仕方ない、ならば自分で動いてご飯を取りに行くしか…。 ん?体が重くて動かない…。 「どぼじでれいぶあるげないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!?? これじゃあごはんとりにいげない゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 ご飯をどうしようと考えていたら急に力が抜けてきた。 大きくなった赤ちゃんが今まで以上にれいむの栄養を吸収し始めたのだ。 「あがぢゃんんんんん!ずわないでえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!! おかあざんじんじゃう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」 あ…目がかすんできた…。 れいむはもうだめなんだ。 赤ちゃん、一緒にすりすりしたかったなー。 「もっどゆっぐりじだがっだ…」 こうしてれいむは赤ちゃんの望み通り、 とーーーーーってもゆっくりすることができたとさ。 終 ***************************************************************** 自分のゆっくりできることを他人にしなさい。 聖ゆっくりの教えを産まれる前から実践できるってすごい。 今まで書いた作品 初めての制裁 僕のうさばらし ゆっくりは死んだ 見せあいっこ ゆっくりの伝道師 妄想お兄さん このSSに感想をつける